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教員紹介

田邉 欧 教授

  • 研究者名(フリガナ) 田邉 欧(タナベウタ)
  • 職 名教授
  • 専攻語デンマーク語
  • 電子メールutatanabe.hmt[at]osaka-u.ac.jp

■ 外国語学部を目指す受験生の皆さんに

私の専門はデンマーク文学を中心とした近・現代北欧文学です。アンデルセンといえば名前を知らない人はいないと思います。しかしアンデルセンがデンマークに生まれ、デンマーク語で、童話だけでなく詩や小説も書いていたということを知っている人はそう多くはないでしょう。そして実存哲学の先駆者であるキェルケゴールと共にデンマークの黄金時代を築いた作家であるということもあまり知られていません。彼らの思想や文体、物語の構造は20世紀そして現代の北欧文学に至るまで数多くの作家や作品に大きな影響を与えています。デンマークは地理的にも言語的にもヨーロッパの周縁に位置していますが、その周縁からヨーロッパの中心を覗いてみると面白い発見がいろいろあります.また北欧は神話や民話、そして数多くのすぐれた児童文学などの宝庫でもあります。これらの作品を原語で読んで、私たちのごく身近なところにデンマークの文化と世界観をじっくりと味わってみませんか。

研究分野 近・現代北欧文学
キーワード デンマーク文学 北欧モダニズム 北欧女性文学 
研究テーマ

北欧において文化政策を語る上でキータームである「社会包摂」という概念に鑑み、文学の持つ社会包摂的機能に着目し、異文化理解の枠組みにおいて考察する。
① 文学研究者の立場から、多元社会における文学の立ち位置を北欧の社会包摂の実情に照らし合わせて検証、文学をめぐるアダプテーションの社会有効性を学際的に考察する。
②語学教育者の立場から、北欧文学テクストを異文化理解に基づく語学教育の教材として活用できる応用モデルを開発する。
①および②の研究成果をワークショップ、アウトリーチ活動などから一般市民にもフィードバックし、21世紀多元社会における北欧文学理解、日本における新たな北欧文学受容の場を創生することを研究目標にする。

代表的著作、論文等

『待ちのぞむ魂 スーデルグランの詩と生涯』(田辺欧, 2012, 春秋社)、『デンマーク語で四季を読むーデンマーク文化を学ぶための中・上級テキスト集ー』(田辺欧・大辺理恵編著, 2013, 溪水社)「ブリクセン文学にみる娯楽性 : 『まぼろしの馬』(Spøgelseshestene::1955)小論」(田辺欧, 2019, 『IDUN -北欧研究-』23号

所属学会、その他の研究活動等 日本比較文学会、北ヨーロッパ学会、科学研究費助成事業採択研究課題(2020-2023)「社会包摂に鑑みた北欧文学の異文化理解・言語教育への応用モデル研究」
担当授業 ●学部 デンマーク語1、デンマーク語12、北欧文学概論ab、北欧文学特別演習Iab、北欧文学特別演習IIab
●研究科目 ヨーロッパ言語文化表象論ⅡAB、ヨーロッパ・アメリカ文化表象論特別研究 AB
●全学共通科目 特別外国語演習(デンマーク語)II