文字サイズ

教員紹介

鈴木 広和 教授

  • 研究者名(フリガナ) 鈴木 広和(スズキ ヒロカズ)
  • 職 名教授
  • 専攻語ハンガリー語
  • 電子メールsuzuki.hirokazu.hmt[at]osaka-u.ac.jp

■ 外国語学部を目指す受験生の皆さんに

 ハンガリーはヨーロッパにある小さな国の一つですが、その言語や文化を学ぶことでヨーロッパの多様性の一端を知ることができます。皆さんが抱いているヨーロッパのイメージとは少し異なる文化を発見できるかもしれません。
 ところで1989年東西冷戦終結の象徴となったベルリンの壁崩壊は、当時のハンガリー政府がとった一連の行動がきっかけとなりました。ハンガリー政府の決断が東西冷戦終結を導いたとも言えるのです。このように小国が世界の動向に大きな影響を与えることもありますし、小国には大国とは異なる視線、世界観があることを知ることも大切です。私はハンガリーの歴史を研究していますが、ヨーロッパの現在を知るためにハンガリーのような小さな国の歴史を理解しておくことも大切だと考えています。
 ハンガリー語を学び、親切で愉快なハンガリーの人々と出会い、ハンガリーの文化に親しんでいくと、自然と日本についても考えるようになることでしょう。

研究分野 中世ハンガリー史
キーワード ハンガリー史 / 中世ヨーロッパ / 歴史叙述の歴史 / ナショナル・アイデンティティ
研究テーマ

二つのテーマに取り組んでいます。
(1) 13世紀に書かれた歴史書の研究。ハンガリー人は、アッティラが率いたフン人と同族だというフィクションが書かれている歴史書について、これまでさまざまな説が主張されてきました。諸説を再検討する作業を通して、この作品に書かれた歴史観や社会観を読み取る作業をしています。
(2) 15~16世紀ハンガリー人の自己イメージ。ハンガリーは14世紀末から100年以上にわたりオスマン帝国と戦い続けました。1526年の決戦で敗れハンガリー王国は解体したのですが、長期にわたる戦争状態や苦境のなかで、ハンガリーの人々がどのような自己イメージを持つようになったのか、当時のヨーロッパ文化との相互影響をからめながら調べ、考察しています。

代表的著作、論文等

『ドナウ・ヨーロッパ史』(山川出版社、1999年)第二章「繁栄と危機」
「ハンガリー王国の再編」『岩波講座世界歴史8 ヨーロッパの成長』(岩波書店、1998年)所収。
「中世ハンガリーのクマン人とラースロー4世」『学問への旅』(山川出版社、2000年)所収。

所属学会、その他の研究活動等 史学会、日本西洋史学会、東欧史研究会、ハンガリー学会、ウラル学会、歴史学研究会
担当授業 ●学部 ハンガリー語12 / ハンガリー研究入門Ia / ハンガリー語Va, b / ハンガリー特別演習Ⅲa,b / ハンガリー文化講義Ⅱa,b / ハンガリー特別講義Ⅰa
●研究科目 ヨーロッバ言語社会動態論ⅧA,B / ヨーロッパ・アメリカ言語社会論特別研究 A, B
●全学共通科目 欧米の文化と社会を知るF(ハンガリーの歴史と社会)