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教員紹介

村上 忠良 教授

村上 忠良 教授
  • 研究者名(フリガナ) 村上 忠良(ムラカミ タダヨシ)
  • 職 名教授
  • 専攻語タイ語
  • 電子メールmurakami.tada.hmt[at]osaka-u.ac.jp

■ 外国語学部を目指す受験生の皆さんに

私は、タイ国をフィールドに、宗教文化や宗教実践の研究をしています。調査の対象は、マイノリティの人々であることも多いです。そのため、タイ語だけではなく、少数民族のことばも使います。また、タイは仏教国というイメージが強いですが、実際には様々な宗教があります。タイ国には、言語的・民族的にも、宗教的にも非常に多様な人々が住んでいるのです。このような現実のタイのあり様を理解するためには、現地の人とコミュニケーションをとって、そこから知見を得る言語運用能力が必要です。外国語学部では1・2年次に言語運用能力を養い、3・4年では言語のみならず、タイ国の多様な社会や文化についても学びます。学生には、できれば在学中に(1年くらい)留学することを勧めています。「書を捨てよ、町へ出よう」という言葉がありますが、外国語学部の場合には、「ことばを身に付けよ、野(フィールド)へ出よう」となるでしょう。ことばを駆使して、現地の人と交流し、研究対象の深い理解へと到達することを目指しましょう。

研究分野 タイ地域研究、文化人類学
キーワード 宗教実践、タイ系民族シャン、仏教、葬送文化、イスラーム
研究テーマ

1.タイ国北部国境地域のタイ系民族シャンの宗教文化
 タイ北部の少数民族の村落社会における宗教儀礼や年中行事についての研究
2.上座仏教徒の宗教実践における声と文字
 パーリ語経典を共有する上座仏教が各地の地方語の世界で展開する様相について、「書かれたもの」と「唱えられるもの」との関係から考察する研究
3.現代タイ社会における死の文化
 伝統的な死に関わる習俗が近年の社会変化の中で変容していく様相の分析を通し、現代タイ社会に生きる人々の死生観を明らかにする研究
4.タイ国内のムスリム・マイノリティーのコネクティビティ
 タイ国内のムスリム同士の結びつき、また、ムスリムを取りまく非イスラームの世界との結びつきを明らかにする研究

代表的著作、論文等

Murakami, Tadayoshi. 2016. "The Change in Pashtun Identity: Ethnicity and the Religion of the Pashtuns in Northern Thailand", 『言語文化研究』42: 179-193.
Murakami, Tadayoshi. 2012. "Buddhism on the Border: Shan Buddhism and Transborder Migration in Northern Thailand", Southeast Asian Studies 1(3): 365-393.
Murakami, Tadayoshi. 2009. "Lik Long (Great Manuscripts) and Care: the Role of Lay Intellectuals in Shan Buddhism", In Written Cultures in Mainland Southeast Asia (Senri Ethnological Studies 74), pp.79-96.

所属学会、その他の研究活動等 日本タイ学会 / 東南アジア学会 / 日本文化人類学会 / 大阪大学言語社会学会
担当授業 ●学部 タイ語1 / タイ語11 / タイ文化演習 / 東南アジア社会文化演習 / シャン語
●研究科目 アジア言語社会構造論 / アジア・アフリカ言語社会論特別研究
●全学共通科目 特別外国語演習(タイ語)