ビルマ語専攻

マンダレー王宮の城壁とお堀

 ビルマ語専攻は、昭和20年4月に日本で初めてのビルマ語の教育機関として大阪外事専門学校に設立されました。本専攻の専攻語であるビルマ語は、ミャンマー連邦の公用語であり、5,114万人(2019年推計)の共通語(母語人口はその四分の三強)です。この言語は、検眼表の円い図形や知恵の環を思い起こさせるビルマ文字で書かれます。
 ビルマ語の最古の文献は通称ミャゼディ碑文(1112年)で、四面体の石柱にバガン朝チャンシッター王の遺徳を顕彰する文章がモン語・パーリ語・ピュー語・ビルマ語の四つの言語で刻されています。今では死語となったピュー語が含まれていることから、この碑文は「ビルマのロゼッタ・ストーン」と呼ばれることがあります。これに始まる書記言語としての長い歴史を持つため、ビルマ語で書かれた文献は極めて豊富です。
 ビルマ語の話し手の社会は、インド文明とシナ文明の影響を受けた点で、また、稲作文化を基調とする点で、東南アジアのほかの地域との共通性を持っています。宗教的には、南伝上座部仏教を信仰する人たちの社会と、規範や価値観を共有しています。このような観点でビルマ文化を見たとき、そこには日本文化との類似や相違もまたはっきりと見えてくるでしょう。ビルマ文化を観察することは、日本の文化を相対化して観察することでもあり、そのような物の見方を身につけることを我々教員は望んでいます。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 ビルマ語を専攻言語として学ぶ学生には、当然のことながら、まず、ビルマ語の運用能力を身につけることが求められます。そして、ビルマ文化圏の背後にある様々な事柄を、言語・文化・社会の各面にわたって、総合的に学ぶことになります。また、世界有数の民族錯綜地帯であるこの地域の文化をより深く理解するために、関連する言語として、チベット語やカレン語など、国家語とは異なる周辺諸民族の言語も学ぶことができます。

到達度目標はこちら

異言語を学ぶことは異文化を擬似体験することです。ビルマ語の勉強を通して、ミャンマーの土地に育まれた人々の生活、ものの考えかた、感じかたにふれてください。きっと興味深い世界が拓けることでしょう。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • 明瞭にゆっくりと話されれば、授業での課題や説明を理解できる。
  • 日常生活の身近な事柄(姓名、年齢、居住地、家族構成、日時、方向・距離、値段等)に関する基本的な語や表現が聞き取れる。

相当レベル CEFR/A2

  • 買い物、食事、交通等の日常生活や学校生活についての事柄であれば、相手の伝達意図を正しく理解することができる。
  • ビルマ社会や文化についての基礎的な事柄について、明瞭に話されれば、相手の伝達意図を理解できる。

相当レベル CEFR/B1

  • 通常の会話のスピードで話されても、授業に関する課題や説明が理解できる。
  • ビルマ人同士の急ぎすぎない通常のスピードによる日常会話を聞き取ることができる。
  • ビルマの文化、歴史、政治経済についての専門的知識をふまえ、文化(文学、伝統芸能)や社会(歴史や政治経済)に関するスピーチを理解することができる。

相当レベル CEFR/B2

読むこと
  • 雑誌や新聞の短く簡単な記事なら、辞書を用いて理解できる。(口語体)
  • 標示、ポスター、カタログなどに書かれた語句や単純な文などを理解できる。(口語体)

相当レベル CEFR/A2

  • 広告やパンフレット、個人的な手紙をその場で理解できる。(口語体・文語体)
  • 具体的テーマについての簡単で短い論説文ならその場で理解できる。(口語体・文語体)
  • 辞書を用いて時間をかければ、やや抽象的なテーマについての文章を理解できる。(口語体・文語体)

相当レベル CEFR/B1

  • 新聞記事、短編小説、エッセイなどは、辞書の助けを借りなくても大意をつかむことができ、辞書を用いれば正確に内容を把握することができる。(口語体・文語体)
  • 専門的な内容の論文は、ビルマの文化、歴史、政治経済についての専門的知識をふまえ、辞書の助けを借りて正確に理解することができる。(口語体・文語体)

相当レベル CEFR/B2

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 話し相手(教師)がゆっくり話し、繰り返しや言い換えをし、また自分が表現するときに助けを出してくれるなら、日常生活の身近な事柄(姓名、年齢、居住地、家族構成、日時、方向・距離、値段等)について、簡単なやり取りをすることができる。

相当レベル CEFR/A2

  • 相手のリードがあれば、買い物、食事、交通等の日常生活や学校生活についての身近な話題や活動について、会話を続けることができる。
  • 日常生活についての事柄であれば、ビルマ語母語話者同士の会話の内容を大筋で理解し、時に会話に参加することができる。

相当レベル CEFR/B1

  • 相手のリードがなくとも、買い物、食事、交通等の日常生活や学校生活についての身近な話題や活動について、よどみなく会話が続けられる。
  • ビルマ人同士の、日常生活に関する急ぎすぎない会話を理解し、会話に参加することもできる。

相当レベル CEFR/B2

表現一人で行う
報告など
  • 自分の住んでいる所や町、知っている人たち、あるいは自分の大学生活や日常生活について、簡単な語や表現を使ってその場で説明できる。
  • 時間をかけて準備すれば、ごく簡単なプレゼンテーションをすることができる。

相当レベル CEFR/A2

  • 時事問題などについての自分の考えを、簡単な語や表現を使って説明できる。
  • 準備時間が十分にあれば、関心を持つテーマについて短いプレゼンテーションをすることができる。

相当レベル CEFR/B1

  • ビルマの文化、歴史、政治経済についての専門的知識をふまえ、ビルマの時事問題についての自分の考えを、的確な単語や表現を使って説明することができる。
  • 準備時間を十分にかければ、卒業研究についての発表を、文語文による書面資料を作成の上、口頭で行うことができる。

相当レベル CEFR/B2

書くこと
  • 自分の住んでいる所や町、知っている人たち、あるいは自分の大学生活や日常生活について、簡単な語や表現を使って報告文を書くことができる。(口語体)
  • 基本的な単語の綴り字であれば間違えずに書くことができる。(口語体)

相当レベル CEFR/A2

  • 簡単な内容については、文法的誤りはあっても、その場で簡単な報告を書くことができる。(口語体)
  • 簡単な事柄についての短いメモやメッセージ、あるいは礼状などの個人的な手紙を書くことができる。(口語体)
  • 具体的なテーマのものであれば、日本語で書かれた新聞や雑誌などの記事を読み、ビルマ語で短い内容要約を書くことができる。(口語体)

相当レベル CEFR/B1

  • 日常的なテーマについて、辞書を使わずに正確な表現を使って手紙や報告を書くことができる。(口語体・文語体)
  • ビルマの文化、歴史、政治経済についての専門的知識をふまえ、辞書を使えば、それらについての簡単な報告を書くことができる。(口語体・文語体)

相当レベル CEFR/B2

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
ビルマにおいても日本においても公式の語学検定試験は実施されていない。ビルマの大学教育において外国人に対するビルマ語教育は始まったばかりであり、非母語話者に対するビルマ語教育という研究分野も確立していない。
  • ビルマ語には口語体と文語体の違いがあり、使われる語彙や文法が異なる。読む能力と書く能力においては、どちらのスタイルにも対応できるようにする。
  • ビルマ語およびビルマの社会・文化についての問題意識を高め、問題解決の方法やそのための情報収集能力を養う。
  • ビルマ語学習を通して、ビルマ文化を自分の文化と対照しながら、地域文化の個別性および人間文化の普遍性についての理解を深める。
  • ビルマ語学習を通して、多民族社会としてのビルマ社会のあるべき姿を模索し、さらに人類の共生とは何かについて理解を深める。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

おきあがりこぼし像

チャイッティーヨー・パゴダ


 ビルマ語専攻では、ミャンマーの大学でビルマ語やビルマ文学を実際に教えていたビルマ人の先生を専任教員としてお呼びしています。ビルマ人の先生やご家族との交流は貴重な異文化体験にもなっています。また、大阪大学への留学生の他、現在大阪にはたくさんのミャンマーの人々が住んでおり、留学生達との交流を通して、生きたビルマ語を学んでいます。

教員紹介

卒業後の進路

 卒業後の進路は、メーカー、商社、教員、公務員など様々です。外交官として活躍している方もいます。研究を続けるために進学する人もいます。外国とのかかわりのある業務に携わっている人も多いようです。

専攻のホームページ