教授
中本 香 ナカモト カオリ

スペイン語専攻

nakamoto.kaori.hmt@osaka-u.ac.jp

受験生へのメッセージ

私の専門分野は近世から近代初頭のスペインの歴史です。近世というと、スペインは王政の下にありました。しかし、王の権力は絶対ではありません。スペインという王国は、元々独立していた王国や政治共同体が一人の王の統治の下でゆるやかに連合しているという実態を持っていました。海外には広大な植民地も領有していました。そのため、一つの政治体としての凝集性を欠いていました。それぞれの地域に特権を持つ身分や集団がおり、そのような地域の特権と王権の間でバランスを維持するのは困難なことでした。そのスペイン王国が、19世紀の間に少しずつ国民が主権を持つ国家として近代化していきますが、果たしてスペインの「国民」とはどんな人たちを指すでしょうか?スペインの国民は一つでしょうか?国民の間に認められる権利は等しいでしょうか?このような問いは、現在のスペインが抱えている問題を読み解く鍵にもなります。

研究活動の紹介

近世から近代初頭のスペイン君主政について、その権力構造の特徴や変化について研究しています。スペイン君主政の権力構造の特徴的はその複合性にありますが、構成要素に可塑性があったという点では複合国家よりも礫岩国家と表現するべきかもしれません。その変化のきっかけは戦争や反乱です。王権からの強い要求や外部からの侵略などをきっかけに、スペインを構成していた地域や集団が戦ったり蜂起したりしますが、そこにどのような権利意識や制度上の問題があったのかを解明することが現在の課題です。

研究分野
スペイン近世史
研究キーワード
君主制、主権、ネイション
代表的著作、論文等
「スペイン継承戦争と新組織王令」、「啓蒙とブルボン改革」、「ブルボン期の社会・経済」、「ナポレオンと独立戦争」(立石博高、内村俊太編、『スペインの歴史を知るための50章』(明石書店)、2016年)、「スペイン継承戦争にみる複合君主政」(古谷大輔、近藤和彦編、『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社)、2016年))、「啓蒙専制期のマドリード社会と女性の衣服」(武田佐知子編、『着衣する身体と女性の周縁化』(思文閣出版)、2012年)
所属学会、その他の
研究活動等
スペイン史学会、日本イスパニヤ学会、西洋史学会