講師
伊藤 孝治 イトウ コウジ

英語専攻

k-ito.hmt@osaka-u.ac.jp

受験生へのメッセージ

 皆さん、こんにちは。英語専攻の伊藤孝治と申します。私の専門はアメリカ史で、アラスカにおけるアメリカ帝国主義の歴史的発展を環境と科学技術の観点から分析する研究をしています。また本学ではアメリカ史だけではなく、現代アメリカの政治・外交・社会・文化についての授業も担当しています。
 アメリカ史やアメリカ研究と言っても、あまり馴染みのない人が多いかもしれません。しかし、アメリカの歴史や政治・外交・社会・文化について知ることは21世紀に生きる私たちにとって非常に大きな意義を持っています。例えば、どのようにして現在のグローバルな世界が出来上がったのかを説明する際には、アメリカが第二次世界大戦後に果たした役割を無視することはできません。これは近代日本の形成にも当てはまり、1853年のペリー来航以来、アメリカは日本に対して政治的にも軍事的にも経済的にも文化的にも深遠な影響を与えてきました。アメリカについて学ぶことで、現在の世界および日本についての理解を深めましょう。

研究活動の紹介

 私は19世紀後半以降のアラスカ南西部ブリストル湾地域におけるサケ漁業の発展を魚類学者による科学的知識の生産との関連で研究しています。これまで漁業の問題は政治や外交や法律の問題として扱われることが多く、漁業と科学技術のつながりが軽視されてきました。私の研究はこの点を問題視し、魚類学の進歩とブリストル湾のサケ漁業の発展の間の関連性を明らかにすることで、漁業問題と科学技術は不可分の関係にあることを強調します。また、私の研究はアラスカ南西部ブリストル湾のサケ漁業の発展をアメリカだけの枠組みで捉えるのではなく、むしろグローバルな視座から捉え直し、アメリカと世界(特に日本、イギリス、カナダ、ロシア)とのつながりがアラスカ南西部という「周辺」地域のサケ漁業の形成に重要な役割を果たしたことを明らかにします。

研究分野
アメリカ史
研究キーワード
アメリカ帝国、北太平洋、海洋環境、科学技術、グローバル・ヒストリー
代表的著作、論文等
伊藤孝治「国威の代償―世紀転換期のハワイをめぐる日米対立の一解釈」『アメリカ研究』46号(2012年)、33-50頁。
Ito, Koji. “Contesting Alaskan Salmon: Fishing Rights, Scientific Knowledge, and a US-Japanese Fishery Dispute in Bristol Bay in the 1930s.” Japanese Journal of American Studies 31 (2020): 179–200.
Ito, Koji. “The Making of an American Ichthyological Empire: How the Structure of Perpetual Exploitation of Bristol Bay Salmon Developed in Southwest Alaska, 1883-1970s.” Dissertation, University of Illinois, 2021.
第 4 章「⽣態学的地図作成の試み―戦間期の北太平洋における鮭鱒漁業の変容と⽔産海洋学的アプローチの台頭」太⽥出、 川島真、 森⼝ (⼟屋) 由⾹、 奈良岡聰智編著『領海・漁業・外交―19〜20 世紀の海洋への新視点―』 (晃洋書房、 2023 年) 121-164 ⾴。
「太平洋のコンタクト・ゾーン―1890 年代の⽇本近海における北⽶猟船の活動と⽇本の海獣猟業の展開」 『アメリカ史研究』48 号(2025 年)18-35 ⾴。
所属学会、その他の
研究活動等
アメリカ学会、日本アメリカ史学会、関西アメリカ史研究会、Society for Historians of American Foreign Relations, American Historical Association, Organization of American Historians, Association for Asian Studies