講師
虫賀 幹華 ムシガ トモカ

ヒンディー語専攻

mushiga.tomoka.hmt@osaka-u.ac.jp

受験生へのメッセージ

 大学3年生の時にはじめて訪れたインドで、ヒンドゥー教の聖地として有名なバナーラスの「聖なる火葬場」で大きな衝撃を受けました。聖地の実態と歴史を調べていくなかでヒンドゥー教の奥深さと多様さに触れ、夢中になって卒業論文を書いたことを思い出します。以来、ヒンドゥー教のいまとむかしを行ったり来たりしながら、日々の儀礼やお祭り、聖地巡礼など民衆の実践について研究してきました。研究を進めるにあたって、ヒンディー語でインドの人びとと話をすること、ヒンディー語で書かれた宗教文献を読み解くことは必要不可欠でした。「インドでは英語が通じる」と言われますが、北インドの人びとの考え方を深く知るには、ヒンディー語でのコミュニケーションがとても大切です。機械翻訳の性能も高まってきている昨今、外国語を学ぶ必要がないと考える人もいるのかもしれませんが、現地で話されている言葉をそのまま理解し、背景にある思想を勉強することを通して得ることのできる見識は、翻訳では決して獲得できません。ヒンディー語を通して、インドと深く関わってみませんか!

研究活動の紹介

 現代インドのヒンドゥー教徒の信仰の実態を捉えることを目的に、聖地巡礼、祖先崇拝、祭礼という観点から研究しています。北インドの寺院や家庭で調査・観察を行うことで現状を把握し、各時代のサンスクリット語文献の記述との類似点・相違点を検証しながら聖地や儀礼の形成過程を探るという方法で、現代インド研究や古典文献学という視点の一方のみからは捉えられない、インド宗教史の包括的な理解を目指しています。他方で、現在のヒンドゥー教を知るには、サンスクリット語の聖典の読解以上に、その記述をまとめ平易に解説するヒンディー語の書籍や手引書の分析が有効であることがわかってきたため、ヒンディー語の宗教文献の内容および出版の背景や影響力について、最近は関心を持っています。

研究分野
ヒンドゥー教史、インド学、宗教学
研究キーワード
ヒンドゥー教、聖地巡礼、祖先崇拝、祭礼、ヒンディー語の宗教冊子
代表的著作、論文等
“The Development of a Hindu Sacred Site: Change from Śaiva to Vaiṣṇava Affiliation in Gayā.” Journal of Indological Studies, no. 36–37, 2025, pp. 33–77. Merī Bhārat Yātrā(タゴール暎子著『インド探訪』(論創社、2011年)のヒンディー語翻訳)New Delhi: Vāṇī Prakāśan, 2024.「1年間の祭事からみるヒンドゥー教徒の信仰と実践」佐藤史郎・石坂晋哉編『現代アジアをつかむ』明石書店、2022年、401–415頁。「ヒンドゥー教の無縁供養―ガヤーの祖霊祭における供養マントラの分析から―」『宗教研究』95巻1号、2021年、49–73頁。
所属学会、その他の
研究活動等
日本南アジア学会、インド思想史学会、日本印度学仏教学会、日本宗教学会