ベトナム語専攻

夏まつりでベトナム料理の模擬店を出店しました!

1年次の夏期研修でダナン外国語大学を訪問しました

 ベトナム社会主義共和国は、東南アジア大陸部の中で約1億人という多数の人口を誇り、急速な経済成長を遂げる文字通り「元気」な国の代表です。そして我がベトナム語専攻も、大阪外国語大学時代からの古き良き伝統を維持しつつ、新しい時代に向かって進化を遂げ続ける、本国に負けない「元気」な専攻のひとつです。
 ベトナムは最近になって注目を集めているように思われがちですが、実は日本とのつながりは非常に古く、その歴史は遣唐使の時代までさかのぼります。遣唐留学生 阿部仲麻呂、朱印船貿易、海のシルクロード・・・ベトナムと日本との繋がりは決して一過性のブームなどではなく、古より流れる川のように絶え間なく続いてきているのです。現在のベトナムに目を向けてみても、箸や爪楊枝を使い米を主食とする食文化、日本語の敬語にも通ずる相手を気遣う言葉遣いなど、我々日本人が日々大切にしている感覚をベトナムの中にたくさん見つけることができます。
 ベトナム語専攻は、「Đại gia đình Việt Nam [大家庭越南](大家族ベトナム)」を体現する結束の強い専攻です。本国ベトナムの誇る「hiếu khách [好客](客をもてなす)」文化文化がここにはあります。日本にいながら常にベトナムを感じつつ、ベトナムの良さに学ぼうとする学生で溢れています。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 ベトナム語は長きにわたる中国の支配の影響により漢語由来の言葉が文化語彙の多くを占め、日本語に馴染みのある響きを聞くことができます。また、6つの声調による音の高低で、ネイティブスピーカーの発音はまるで歌を歌っているかのように聞こえることでしょう。更に17世紀にキリスト教宣教師が使い始めたローマ字が、紆余曲折を経て今も使われています。視覚的にも聴覚的にも、ベトナム語は日本人にとっては親しみやすい言語であると言えるでしょう。
 ベトナム語習得の要は、何といっても「発音」です。日本語にはわずか5種しかない母音も、ベトナム語には単母音だけで11種、これに3種の二重母音が加わります。さらに、1種の介母音、19種の子音に、6つの声調があり、なかなかに複雑です。しかしベトナム語専攻では、この「発音」に充分な時間を取り、徹底して何度も繰り返し練習をしていきます。初年度は発音の完全習得と基本的な文法事項の学習、2年次には「話す、聞く、書く、読む」の4技能を発展させてゆき、前期(1・2年次)終了時には、語彙力、読解力、文法力の基礎が定着している状態を目指します。
 そして後期(3・4年次)には、これまで学んできたベトナム語を活用して、卒業研究に取り組みます。ベトナム語で情報を収集したり調査を実施したりして、自身の関心のあるテーマについて知識を深め、その成果を卒業論文としてまとめます。ベトナム語専攻では、卒業論文はベトナム語で執筆し、口頭試問もベトナム語で行います。
 ベトナム語専攻には常勤4名(日本人2名、ベトナム人2名)、非常勤1名の教員がおり、言語、文化、文学、社会等の各種専門分野の指導に当たります。また、1年次の9月に3週間の現地研修に参加すること、多くの学生が3・4年次にベトナムの大学に留学することもベトナム語専攻の特徴です。留学先では、言語・文化の習得に励むだけではなく、卒業研究のための調査を行う学生もいます。

到達度目標はこちら

ベトナムに強い関心を持ち、言語、政治、経済、文化などの学習に意欲的な人。そして、学んだことを生かして、国際的な仕事につきたい人を求めます。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • 明瞭にゆっくりと話してもらったら、ある程度まで授業内容・課題や説明を理解できる。
  • 生活の基本的事柄の範囲で、しかも決められた簡単な文型を用いた文を理解することができる。
  • 6個の声調の区別がまだ難しいため、ゆっくりと繰り返してもらわなければ誤解が多い。
  • 明瞭に話してもらったら、授業内容・課題や説明を十分理解できる。
  • 簡単な文型を用いてもらったら、ある程度抽象度の高い事柄でも理解できる。
  • 6個の声調の区別には依然として困難が伴い、聞き返すことが多い。
  • イントネーション(文調)にも注意がはらえるようになる。
  • 様々な分野に関する教員の説明を聞いて、大意を把握することができる。
  • 未知の内容に関するニュースを繰り返し聞いて大意を把握することができる。
  • 話し手の表情が見えない状況(電話等)でも、何度か聞き返すことによって相手の意図を把握することができる。
読むこと
  • 辞書を用いたら昔話のような比較的抽象度の高い内容のものでもかなり理解できる。
  • ただし、文の切り方、掛け方に誤解が多く、全体の意味を理解できないことがある。
  • 辞書を用いたら、抽象度の高い用語の多い新聞や雑誌の記事などもある程度は読める。
  • ただし、文章の切り方、掛け方に依然として誤解が多く、大意が取れないことがある。
  • 辞書を用いずに、新聞等の論説文の内容をある程度正確に把握することができる。
  • 未知の漢越語について、漢字音から対応する漢語の候補をある程度推測することができる。
  • 日常的にベトナムの国語辞典を使うことが習慣化している。
  • 辞書を用いずに、小説等物語の流れを把握することができる。

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 既習の単語を並べて短い文句を作ることはある程度できる。
  • ごく限られた文型を用いれば、日常生活での簡単なやりとりは可能である。
  • ただし、声調の区別に限界があり、相手に誤解を与えることが多い。
  • 簡単な文型を用いての会話への参加はある程度スムーズにできる。
  • 自分の考え、意見を時間をかけて表現することが可能である。
  • 自己紹介や他人の紹介なども敬語や謙譲語を混えて行うことができる。
  • ただし、声調の区別が曖昧なため、相手に誤解を与えることが多い。
  • 教室内では、与えられたテーマについて教員と対面で会話を続けることができる。テキストの内容や自分の興味ある分野について、メモに頼らず議論することができる。
  • 日常的な場面では、相手との関係に配慮しつつ、複雑な構造の文も交えながら会話を持続させることができる。
  • 相手の話が理解できないときにも、聞き返しや言い換えの促し等の方法により、会話を持続させることができる。
表現一人で行う
報告など
  • ゆっくりではあるが、はっきりと、ごく簡単な文型を用いて自分の意見を述べたり、簡単な報告をしたりすることができる。
  • ただし、語順や虚詞の使用が不慣れなため、相手に誤解を与えることがある。
  • 簡単な文型を用いて、自分の考えや意見を、ゆっくりと時間をかけて表現することができる。
  • じっくり時間をかければ、準備した内容について簡単なプレゼンテーションも可能である。
  • 自分が興味を有する分野については、的確に表現することができる。
  • 時間をかければ、自分が興味を有する話題に関する比較的複雑な内容について、プレゼンテーションを行うことができる。
  • 自分の卒業論文のテーマについて、的確に報告することができる。
書くこと
  • 辞書を用いて、十分時間をかければ、簡単な文型を用いて身のまわりのことや自分の関心事などを書くことができる。
  • ただし、声調と語順、虚詞の使用に誤りが多く、読み手に誤解を与えることがある。
  • 簡単な文型を用いて、手紙やメッセージ、レポートなど書くことができる。
  • 語彙の選択、声調の区別、語順、虚詞の使用法等にも進歩が見られるが、まだ誤りが多く、読む人に誤解を与えることがある。
  • ネイティブチェックを要するが、A4用紙20~30ページ程度の卒業論文を書くことができる。
  • 待遇表現を用いた手紙や電子メールを書くことができる。

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
  • ベトナム内部の地方差に注意を払いつつ、その方言や背景となる文化の多様性を理解する。
  • 東南アジア文化圏と東アジア文化圏の両方に所属するベトナムという視点から、その言語・文化の独自性・多様性・普遍性を把握する。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

学位記授与の様子

新入生歓迎会

 ベトナム語専攻では国内外を問わず、積極的にベトナム・ベトナム人と交流することを勧めており、そのための仕掛けをたくさん用意しています。大学内にはベトナムからの留学生が多く、共同研究室でベトナム人留学生と日本人学生が語らい合ったり、互いの言語・文化を学び合ったりする姿もよく見られます。日本各地で開催されるベトナム関連のイベントスタッフをしたり、日本に暮らすベトナム人のための通訳・翻訳のアルバイトをしたり、ベトナムにルーツがある子ども達の学習支援活動に参加したりと、身に付けた言語や文化の知識を活かす機会は日本国内にもたくさんあります。また、ほとんどの学生が在学中に旅行、研修・留学等で、ベトナム現地へ足を運ぶことも、ベトナム語専攻の特徴のひとつです。実際のベトナムに触れることで、ベトナムの社会・文化を知るだけでなく、彼らの価値観、意識をさらに身近に感じ取ることができ、卒業後の進むべき方向への指針にも繋がります。近年では、留学中に現地で始めたインターンシップやアルバイトを、帰国後もオンラインで続けるようなケースもあります。

教員紹介

卒業後の進路

 ベトナム語専攻は1977年の創立以来、ベトナムに関わる様々な分野の第一線で活躍する卒業生を輩出してきました。特に近年はベトナムに進出する日本企業が多く、その開拓者としての役割を果たす卒業生も多くいます。もちろん、ベトナムに直接関わる仕事に就く卒業生ばかりという訳ではありません。しかし、そういった卒業生たちも折にふれてベトナムへ旅行したり、厳しいベトナム語学習が恋しくなるのか更なるブラッシュアップを図るためにベトナム語学習を再開したりと、いつもどこかでベトナムとの繋がりを保っています。今後も卒業生の活躍の場が広がり、日本とベトナムの交流の懸け橋になってくれるものと期待しています。

同窓会

 「Đại gia đình Việt Nam [大家庭越南](大家族ベトナム)」の繋がりは、現役学生だけに留まりません。大阪外国語大学ベトナム語科・大阪大学外国語学部ベトナム語専攻の同窓会「昇龍会」の活動も盛んです。大先輩が夏まつりや語劇祭等の学生イベントに応援に駆けつけてくれることも少なくありません。ベトナムを追う者同士の世代を超えた交流は、大変貴重なものです。
大阪外国語大学ベトナム語科・大阪大学外国語学部ベトナム語専攻同窓会「昇龍会」公式Instagram