ロシア語専攻

聖ワシリイ大聖堂(モスクワ)

クレムリン(モスクワ)

 日本海を越えれば、そこにはもう広大なロシアの大地が広がっています。隣国である日本とロシアは歴史的にも政治・経済的にも深い関係があります。また、ロシアは世界の平和と繁栄を考えるうえで無視できない重要な国の一つです。ロシア人と話すことではじめて、あるいは改めてわかること、感じることを大切にしたいと私たちは考えています。
 「ロシア語専攻」は、1922(大正11)年に大阪外国語学校が開校すると同時に発足した「露語部」を受け継いでおり、100年以上にわたり、日本におけるロシア語教育の中核的存在であり続けています。「ロシア語専攻」は、これからもロシア語のみならず、ロシアに関する専門的知識をもって国際的に活躍する人材の育成に努めます。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 1年次と2年次では、学年ごとに定めた目標に到達できるような授業を受けます。ロシア語の習得はたしかに簡単ではありませんが、少人数制の授業に出席して、日々の課題をこなすことによって、無理なくロシア語学習に取り組めるでしょう。学年末にはロシア政府認定のロシア語能力検定試験(ТРКИ)を受検し、1年生で基礎レベル(CEFR A2)、2年生で第1レベル(CEFR B1)に合格することを進級条件としています。
 ロシアに関する様々な事情を講じる授業もあります。3年次と4年次では、ロシア語の運用能力をさらに高めるとともに、ロシアや周辺地域の言語、文学・芸術、政治・経済、文化・歴史を専門的に学びます。

到達度目標はこちら

ロシアという国の社会、歴史、文化、芸術、そして言語に大いに関心を持って、入学してきてほしい。何よりも、様々なことに好奇心を持ち、自分で考えて、将来専門家として歩む自覚を持っている学生を求めます。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • 日常生活(ごく基本的な個人や家族の情報、食事、交通等)や学校関係(授業や専攻)、娯楽・余暇(劇場、美術館、スポーツ、趣味等)といった身近な話題について、最も頻繁に使われる語彙や表現が使われており、明瞭で比較的ゆっくりした話し方であれば、会話の要点を理解できる。
  • ロシアでの生活では、たとえば、電車内やバス内でのアナウンスやメッセージの内容について、明瞭で比較的ゆっくりした話し方であれば、要点を理解することができる。

相当レベル CEFR/A2

  • 日常生活(挨拶、個人・家族の日常生活の情報のやり取り、買物、食事、交通、医療等)や学校関係(授業や図書館、事務室でのやり取り)、余暇(劇場、美術館、スポーツ等)での身近な話題について、明瞭で標準的な話し方であれば、要点・相手の伝達意図を理解できる。
  • 学業や仕事、その他の身近な社会生活、簡単な時事問題や文化的情報について、明瞭な話し方で、比較的ゆっくりとしたテンポであれば要点を理解することができる。

相当レベル CEFR/B1

  • 2年次までに修得した日常生活等での身近な話題に加え、より議論の流れが複雑な時事問題、映画等の文化情報内容が理解できる。
  • ロシア語文化圏の背景知識をふまえ、母語文化との相対化能力を前提に、上記領域に関する情報や話し合いについて、誤解・偏見等を生み出すことなく二者間の意思疎通を仲介できる。

相当レベル CEFR B2~C1

読むこと
  • ごく基本的な個人や家族の情報、学校、娯楽・余暇など、身近な話題に関するあまり長くないテクストや手紙文を理解できる。
  • ロシア語文化圏の歴史的人物や著名人に関する教材用に作成されたテクストを、辞書の助けを借りれば理解できる。
  • ロシアの生活では、たとえば、店舗の看板、遠足の案内、映画の広告など、短い簡単なテクストなら理解できる。

相当レベル CEFR/A2

  • 非常によく使われる日常言語で書かれたテクストや個人の感情や希望が表現されている手紙文、新年の挨拶を含むお祝いなどの表現、簡単な詩や歌、ジョークの類が理解できる。
  • 小説(散文-時に学習用に簡略化したもの)や商業上の一般的な協定、観光ガイド文などは、文体の違いを認識しながら、声に出してスラスラと読め、辞書の助けを借りれば要点を理解し、内容について説明できる。

相当レベル CEFR/B1

  • ロシア語文化圏の歴史・社会・文化に関する専門的知識をふまえ、長い複雑な文学テクストの要点のすばやい理解、含意のくみ取りができる。また、文化的差異を意識化しながら、それらの内容を的確な日本語で表現し、相手に伝えることができる。
  • ロシア語文化圏の政治・経済制度に関する専門的知識をふまえ、時事関係の複雑なテクストの要点のすばやい理解ができる。また、社会・経済制度の違いを明確にしながら、それらの内容を的確な日本語で表現し、誤解・偏見を与えることなく、相手に伝えることができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 日常生活(個人や家族、食事、交通等)や学校(授業や図書館)、娯楽・余暇(劇場、美術館、スポーツ等)といった身近な場面において、基本的な言い回しや定型表現を使って質問に答えたり、会話を始めたりしながら、社交的なやり取り(挨拶、調子をたずねる、招待したり招待を受けたりする、会う約束をするなど)をすることができる。

相当レベル CEFR/A2

  • 日常生活(挨拶、個人・家族の日常生活の情報のやり取り、買物、食事、交通、医療等)や学校関係(授業や図書館、事務室でのやり取り)、余暇(劇場、美術館、スポーツ等)での身近な話題について適切に応答し、教員や相手のリードがあれば自分の伝えたい内容(質問、情報伝達、依頼・要求等)をゆっくりと表現することができる。

相当レベル CEFR/B1

  • 日常生活の身近な話題のみならず、各自の専門領域や想定される仕事上のやり取りにおいて、目的にあった言葉遣いを行い、自分の考えを的確に表現することができる。また、他者の発言に自分の発言を関連づけることで、適切な会話ができる。
  • ロシア語文化圏の多様な背景知識、母語文化との比較・相対化能力を前提に、その場の状況を的確にふまえ、上記領域に関する話し合いについて、誤解・偏見等を生み出すことなく二者間の意思疎通を仲介できる。

相当レベル CEFR/B2~C1

表現一人で行う
報告など
  • 日常生活や学業、娯楽・余暇といった身近な話題について、ごく基本的な語彙や構文を使って、言いよどみや言い直しや基本的な間違いが見受けられるものの、自分の伝えたい内容を簡潔に表現することができ、準備すれば小さいプレゼンテーションを行うこともできる。

相当レベル CEFR/A2

  • 個人的情報(履歴、将来の希望、家族関係、好みや余暇の過ごし方、ふだんの生活)についてや学業、仕事については、限られた構文・語彙を使用してではあるが、簡潔に表現することができる。
  • その他の身近な社会生活、簡単な時事問題や文化的情報、本や映画のあらすじについて、時間をかけて準備をすれば小さいプレゼンテーションをすることもできる。

相当レベル CEFR/B1

  • 自分に関心のある幅広い話題について、補足的観点、関連事項等にも触れながら、自己の論点を明確かつ詳細に展開することができる。
  • ゼミ等で扱っている専門領域の内容(言語・文学・演劇・政治・経済・歴史等)について、重要な論点を明確にしながら、体系的なプレゼンテーションの展開ができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

書くこと
  • 教材用の文章や与えられたテーマについて自分の考えを簡単に述べることができる。たとえば、自分の関心事や自分の周囲で起こった出来事について、時間をかけても、また間違いがあっても、まとまりのある文章を書くことができる。

相当レベル CEFR/A2

  • 個人的情報(履歴、将来の希望、家族関係、好みや余暇の過ごし方、ふだんの生活)や学業関係、町や気候・天気についての情報は、多少の文法的誤り、テクスト構造上の不適切さはあってもまとまった文を書くことができる。
  • 学業や仕事、その他の身近な社会生活、簡単な時事問題や文化的情報に関して、読んだり、聞いたりした内容について、十分時間をかければ要約を書くことができる。

相当レベル CEFR/B1

  • 自分に関心のある専門分野の内容について、主要な論点を強調しながらまとまりのある文章を書くことができる。構文パターン、機能的文体差、類義語の使い分けなどを意識して、正しい文章を書くことができる。
  • 母語での自分の専門領域の学術文、仕事上想定される業務文、新聞記事や評論文等について、両文化間の差異等を明確に相対化した上で、辞書の助けを借りてロシア語での的確な文として表現することができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
  • 1.ロシア語検定試験[ТРКИ](ロシア連邦教育科学省主催の試験で日本国内では日本対外文化協会ロシア語検定試験実行委員会及び札幌大学で実施)
    入門、基礎、第1~第4レベルの6段階の試験があり、第1レベルに合格するとロシアの大学に入学できる語学力を持っていると判断される。各レベルの試験は文法・語彙・読解・聴解・作文・会話の5科目。
  • 2.ロシア語能力検定試験(東京ロシア語学院主催)
    4級~1級の4段階の試験があり、4級は文法・露文和訳・和文露訳・朗読、3級は4級の各試験科目+聴取試験、2級と1級は文法・露文和訳・和文露訳・聴取・口頭作文の5科目。各級の試験レベルについては東京ロシア語学院の「ロシア語到達度判定基準」を参照のこと。
    https://www.tokyorus.ac.jp/roshiagotoutatsudo.html
  • ロシア国内:上記のロシア語検定試験と同じものがロシア国内の主要大学で受検できる。
  • ロシア語学、ロシア文学・演劇、ロシアの歴史・文化、ロシア経済などの分野について問題意識をもち、自主的に調査を行い、その結果を卒業論文に集約する。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

チェーホフの生家(タガンログ)

 「ロシア語専攻」は留学にも力を入れています。現在、学部間協定校には、ウラル連邦大学(ロシア)、タリン大学(エストニア)、ソフィア大学(ブルガリア)があり、これらの大学で履修した科目は本学で単位認定されます(2026年1月30日現在、ロシアには外務省から渡航中止勧告が出されており、本学からロシアへの派遣は一時的に中断しています)。また、2年次夏に実施するモスクワ国立大学タシケント校でのサマースクールにも、本学の単位が付与されます。その他、旧ソ連圏を中心に私費で留学する学生もいます。
 さらに、「ロシア語専攻」の学生有志はロシア語劇にも熱心です。そこで覚えたセリフは、長く記憶に残ることでしょう。そのほか、会話サークルやボランティアに参加する学生もおり、教室内にとどまらず、様々な場でロシア語運用能力を磨いています。

教員紹介

卒業後の進路

 卒業後の進路は多種多様です。外務省などの官庁、マスコミ、旅行・観光、製造業、商社、金融などの多くの分野で卒業生が活躍しています。本学や他学の大学院に進学する学生もいます。また、ロシア語教員として働いている卒業生も少なくありません。