ペルシア語専攻

ケルマーン州の風景

ケルマーン州にある霊廟の入り口

 大阪大学におけるペルシア語教育は、大阪外国語大学の前身である大阪外国語学校時代の大正14年にさかのぼります。昭和36年には大阪外国語大学にペルシア語学科が設置されました。平成19年に大阪大学と大阪外国語大学が統合し、大阪大学外国語学部外国語学科ペルシア語専攻となりました。
 ペルシア語はインド・ヨーロッパ語族に属し、その言語資料の歴史はかなり古く、古代ペルシア語は紀元前6世紀以降アケメネス王朝の王たちが碑文で用いたのに始まります。私たちが勉強するのはイランがイスラム化された7世紀半ば以降、9~10世紀にかけて文章語として確立された近世ペルシア語です。文字はアラビア文字を用います。
 イラン文化は東西文化交渉史においても重要です。シルクロードを経てイラン文化が日本に渡来し、少なからざる影響を与えたことはもはや常識となっています。
 こうした豊かな伝統に支えられたイラン文化をペルシア語の学習を通して学んでいきます。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 ペルシア語の習得およびイラン文化の知識の獲得を通して、中東地域文化、特にペルシア語文化圏の専門家を養成することを目的としています。

 1、2年次はペルシア語の作文、会話、講読等の専攻語実習を中心とした授業科目構成となっています。言語習得を第一とした授業内容であり、2年次で中級ペルシア語を終え、日常会話が可能なレベルに達します。2年次には、イラン文化に関する基本的な知識を習得するため、専攻科目講義を用意しています。

 3、4年次に関しては、会話、作文、講読に加えて、言語学、文学、歴史学、地理学、民俗学等に関する授業が開設されており、授業においては積極的な発言と討論が要求されます。卒業論文執筆に際しては、文献の扱い方や論旨の構成法などの知識や技術を修得した上で、各自の研究能力を十分に発揮させることが求められます。

到達度目標はこちら

西アジアの文化や歴史に興味があり、そこの言語を勉強してみたいと思っている受験生諸君をペルシア語専攻語は歓迎します。入学してほしい学生は知的好奇心にとみ、それを維持していく知的能力を持った学生です。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
〈授業で〉
  • 外国人教員等1年生程度の学生の聴解力をよく知る者が、学生の理解できる単語を選んで話せば、授業内容の要点をペルシア語のみで理解させることができる。
〈イランで〉
  • ネイティブの話者にゆっくりと明瞭に且つ単語を選んで話してもらえれば、日常生活には支障がない程度に理解できる。
〈授業で〉
  • 日常的な話題であれば、日本語や英語での補足説明がなくても、ペルシア語だけで理解できる。
〈イランで〉
  • 買い物等の日常的な事柄であれば、ゆっくり話してもらえれば理解できる。
  • テレビのニュースなどは、トピックはある程度理解できる。
〈授業で〉
  • 教室内で外国人の教員が通常の速さで話す内容を理解できる。
〈イランで〉
  • 日常的な会話であれば通常の速さで概要を理解することができる。
  • 基本的な口語については、ネイティブの話者に言い直してもらうことなく理解できる。
読むこと
〈授業で〉
  • ペルシア語アルファベットが理解できる。(概ね6月まで)
  • 簡単な内容であれば、辞書を使用しつつ読むことができる。
  • 子供向けの絵本程度であれば、辞書を使用しつつ読むことができる。イランの小学校2年生の教科書が辞書を使用しつつ読むことができる。
〈授業で〉
  • 簡単な物語や歴史に関するテキストや辞書を使用して読むことができる。
〈イランで〉
  • 活字体であれば、町の店の看板等は読める。
  • 空港など公共施設の案内や広告はペルシア語で概ね読める。ただし、辞書を使うことはある。
〈授業で〉
  • 現代の小説や古典文学などを、辞書を使用して読むことができる。
  • 簡単な物語や歴史に関するテキストを、辞書を使わず概要を理解することができる。
〈イランで〉
  • 一般的な生活で使用されている看板や説明文書を読むことができる。
  • 活字でなくても、判読しやすい手書きの文書や、一般的に使われる書体で印刷された文書を読むことができる。

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
〈授業で〉
  • 教員が表現を補いながら誘導すれば、一般的な意思疎通が相互にできる。
  • ゆっくりであれば、基本的な文法規則を適切に踏まえて、日常的な事柄について表現し、相手の意図も把握することができる。
〈イランで〉
  • 日用品の買い物程度であれば、ペルシア語だけでやりとりができる。
〈授業で〉
  • 日常的な内容であれば、基本的な文法を意識しつつも、比較的、なめらかにやりとりができる。
〈イランで〉
  • 友人等であれば、簡単な自分の意見等について、辞書を使わずペルシア語でなんとか表現することができる。
〈授業で〉
  • 外国人教員による授業において、与えられたテーマについて自分の考えをペルシア語で表現することができる。この際に辞書を使うことはあり得る。
〈イランで〉
  • 日常的に一般的に生じうる事柄であれば、ペルシア語だけで対処することができる。
  • 書き言葉と話し言葉を明確に区別して話すことができるだけでなく、会話の場面に応じて話し方を変更できる。
表現一人で行う
報告など
〈授業で〉
  • 事前に辞書を使っての準備が許されていれば、日常的な事柄に関する報告ができる。
  • 文法的には、基本的な文法規則を間違えない。状況によっては複文表現も使用することができる。
〈授業で〉
  • 事前に辞書を使って準備ができるのであれば、慣用的な表現を用いながら、自分の意見を表現することができる。
〈授業で〉
  • 特定のテーマについて、事前に準備すれば、ペルシア語で資料を作成し、ペルシア語で口頭発表をすることができる。
〈イランで〉
  • ペルシア語で自己紹介をする際には、自分の専門分野や興味対象について簡潔に伝えることができ、それに対する質問にも概ね返答できる。
書くこと
〈授業で〉
  • ペルシア語アルファベットを問題なく書くことができる。(概ね6月まで)
  • 日常的な事柄であれば、辞書を使用しつつ文章で表現することができる。例えば、日記程度であれば、意味の通じる文章が書ける。
〈イランで〉
  • 辞書や参考書等を用いて、慣例に則った簡単な手紙を書くことができる。ペルシア語作文の基本的な慣例や慣用表現に則した文章が書ける。イランにおける日常生活において困らない程度の作文能力がある。
〈卒業論文で〉
  • 卒業論文を日本語で書く場合は、ネイティブチェックを受けることが前提であるが、500~800語程度のペルシア語で要旨を書くことができる。
  • キーボード配列の種類は問わないが、パソコンを用いてペルシア語をタッチタイプで入力することができる。
〈イランで〉
  • 辞書や参考書等を用いるが、相手と自分との関係を考慮した文面で手紙を書くことができる。

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
  • ペルシア語の学習と平行して、イランの文化、文学、歴史、社会等についての学習を行い、ペルシア語文化圏についての広範な知識を習得する。その上で、卒業論文においては教員の指導を受けつつ自らテーマを設定し、専門的に論じることができる。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

アルダビール州ゲルミー市の山の風景

 学生が中心となる楽しい企画がいくつもあることでしょう。学生の意欲次第で充実した学生生活を送ることができます。

教員紹介

卒業後の進路

 卒業生(旧大阪外国語大学ペルシア語学科およびペルシア語専攻を含む)の中には、イランや中東に関する研究者のほか、官公庁のペルシア語担当官として採用される者、メーカー、商社、金融などの企業の第一線で活躍している者も少なくありません。

専攻のホームページ