インドネシア語専攻

バリの水田風景

パレンバンの子供達

 インドネシアは約2億7千万人(世界第4位)の人口をもち、東西5000キロに広がる約13000の島々から構成される、東南アジア最大の群島国家です。1945年に独立を宣言しました。
 インドネシア語は、マレー語を母体として独自の発展をとげた、インドネシアの国語です。ローマ字で表記され、文法も難しくないため、今では全国に普及しています。一方、インドネシアには数百の地方語があり、日常生活においてはインドネシア語と共にそれぞれの地方語が使われています。
 各地に目を向ければ、多様な文化と社会があります。スマトラ島には母系制で知られるミナンカバウ人、カリマンタン島には「森の民」と言われるダヤク人、ニューギニア島にはパプアの人々がいます。また、ジャワ、バリをはじめ、各地の絢爛たる芸術・文学は多くの人々を魅了し続けています。
 今日、インドネシア社会は、グローバリゼーションの波の中で変貌をとげつつあります。経済が急速に発展する一方で広まった貧富の格差、開発による環境破壊、宗教的・民族的対立の先鋭化などが解決すべき課題としてあります。
 何を学ぶにせよ、インドネシア語は基礎となります。しっかりと言語を学び、本当のインドネシアに触れる旅に出かけましょう。広大で多様なインドネシアは、私たちに多くの生きる手がかりを与えてくれるでしょう。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 1・2年生の前期課程でインドネシア語を文法、作文、会話、講読と総合的に学び、基礎的な運用能力を身につけます。引き続き3・4年 生の後期課程で、インドネシア語能力をさらに高める訓練をおこないます。小説・詩、時事ニュース、論文、レポートなど様々なジャンルの文章の精読、ディス カッション、プレゼンテーション、会話やリスニングなどを訓練します。
 後期課程では、語学能力の向上と並んで、インドネシアの文化、社会への理解を深めることが主要な目標となります。インドネシアの多様性と特殊性を考察しながら、それらの事例を言語学、文学、人類学、社会学、歴史学など普遍的な視点から捉え直していきます。4年生では、一つのテーマを掘り下げ、卒業論文を執筆します。

到達度目標はこちら

新しい世界への限りない関心を抱き、知らなかったことを知る喜びを求める若者にとって、大きくて深いインドネシアは「やってよかった!」と思える国。既成の概念を越える柔軟な思考をもつ学生を求めます。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • はっきりとゆっくり話してもらえば、身の周りの具体的なものに関する聞き慣れた語やごく基本的な表現を聞き取れる。(例えば、簡単な自己紹介を理解できる。)

相当レベル CEFR/A1

  • はっきり話してもらえば、主に家族、友人の間でおこった身の回りの具体的なものに関する語句や表現を聞き取れる。
  • 公的サービスなどの簡単なアナウンスを聞き取ることができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • 多民族国家であるインドネシアの文化的多様性を理解した上で、ネイティブ教員の講義での長い解説やスピーチなどの要点を理解することができる。
  • インドネシアに関する様々な知識をもとに、ニュースや時事問題の番組を聞いて要点を理解することができる。

相当レベル CEFR/B1~B2

読むこと
  • 主に家族、友人の間でおこった身近な話題や活動に関する短い簡単な文章や個人的な手紙を辞書の助けをかりて理解できる。
  • 看板表示、標識広告に見られるよく知られた名前、単語、単純な文を理解できる。

相当レベル CEFR/A1

  • 主に家族、友人の間でおこった身近な話題や活動に関して、短い簡単な文章なら、その場で理解できる。
  • 新聞記事や論説など、やや複雑なテーマに関する文章でも、辞書を用いて時間をかければ理解できる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • 多民族国家であるインドネシアの文化的多様性を理解した上で、それと日本との比較の視点から、インドネシアや日本の文化・社会・歴史・政治経済などの問題についてのテクストを、辞書の助けを借りながら、その場で理解することができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 相手がゆっくり話し、繰り返しや言い換えをしてくれるなら、必要な事柄や身近な話題についての簡単なやりとりができる。
  • 宿泊・乗り物の予約や買い物ができる。自己紹介的な内容を聞いたり答えたりできる。

相当レベル CEFR/A1~A2

  • 主に家族、友人の間でおこった身近な話題や活動に関する内容については、相手(教員)のリードによってやり取りすることができる。
  • 旅行中に起こる大抵の状況に対処できる(予約や値段交渉)。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • インドネシアや日本の文化・社会・歴史・政治経済などの問題について、両国の社会文化背景の違いや類似点を考慮した上で、ネイティブスピーカーと議論することができる。また、その内容を端的に、二言語の構造の違いをふまえ、日本語話者とインドネシア語話者に伝えることができる。
  • 日本とインドネシアのコミュニケーション様式の共通点・相違点を意識し、インドネシア人に対して適切な対応および交渉を行うことができる。

相当レベル CEFR/B1~B2

表現一人で行う
報告など
  • 自分の住んでいる所、身近な人たち、日常生活の大まかな事柄やスケジュールを何とか伝えることができる。

相当レベル CEFR/A1

  • 家族、周囲の人々、居住条件、学歴、職歴などについて、一連の語句や文を使って解説できる。
  • 準備時間があれば、関心をもつテーマについて短いプレゼンテーションができる。

相当レベル CEFR/A2

  • インドネシアや日本の文化・社会・歴史・政治経済などの問題について、両国の社会文化背景の違いや類似点を考慮しながら十分に理解し、プレゼンテーションをあらかじめ準備して行い、それについての意見交換をすることができる。

相当レベル CEFR/B1

書くこと
  • 日常生活、休暇中の出来事、趣味などの身近な話題について、短い文章を、多少の文法的な誤りがあっても書くことができる。
  • 礼状など短い個人的な手紙を書くことができる。

相当レベル CEFR/A1

  • 主に家族、友人の間でおこった身近な話題や活動に関する内容については、表現上の不適切さが多少あっても、その場で簡単な文章を書くことができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • インドネシアや日本の文化・社会・歴史・政治経済などの問題について、 フォーマルな文体で、正確に書き表すことができる。 感想や意見をわかりやすく書くことができる。 以上のインドネシア語を的確な日本語に翻訳することができる。

相当レベル CEFR/B1~B2

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
現在、インドネシアでは、国語研究所主催のインドネシア語能力試験(UKBI)がある。対象は、インドネシア人だけでなく、外国人も想定されているが、日本国内での受験の便宜はまだ整っていない。 日本で実施されるインドネシア語検定試験としては、インドネシア語検定協会の「インドネシア語技能検定試験」があげられる。 1992年より年に2回のペースで実施され、特A級(2001年より年1回実施)、A級~E級の全6段階が用意されている。C、D、E級は1次試験の筆記試験のみ(リスニング含む)で評価されるが、B、A、特A級はさらに2次試験の面接試験がプラスされる。1・2年生はC級レベル、3・4年生はB級レベルに相当するだろう。
  • 文献資料の考察能力(文献の検索方法も含む)を養い、日本語・英語・インドネシア語の複数の文献資料を適切に使用しながら、論文やレポートを書き上げる技法を習得する。また、文献資料を参照しながら適切なプレゼンテーションを行う技法も習得する。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

アチェの海

インドネシア語劇

 毎年、2年生を中心としてインドネシア語劇を上演しています。監督、役者、大道具、衣装、音響、字幕、広報など、上演に関わるすべての作業を学生たちが担当し、数ヶ月をかけて劇を作り上げます。また、関西地区のインドネシア人留学生と定期的に交流会を開き、友好関係を深めています。3年生になると、インドネシアへ留学したり、現地でインターンシップに参加したりする学生も多くいます。留学先は、インドネシア大学(ジャカルタ近郊)、ガジャマダ大学(ジョグジャカルタ)の外国人向けインドネシア語コースが一般的です。ウダナヤ大学(バリ)、ガジャマダ大学、インドネシア大学などへは交流協定に基づく留学も可能です。

教員紹介

卒業後の進路

 就職先は多岐に渡り、メーカー、金融、商社、旅行業、官公庁、独立行政法人、地方自治体、高校・中学、新聞社・通信社・テレビ局といった報道機関などがあります。現在インドネシアには、ジャカルタを中心として、インドネシア語専攻の卒業生(旧外大時代も含め)が多く駐在などで滞在しています。また、インドネシアで仕事を見つけたり、インドネシアで自らビジネスを起こしたりしている先輩たちもいます。大学院へ進学し、研究者になった先輩もいます。