フランス語専攻

 フランス語は、特徴的な発音や緻密な文法体系から難しいと思われがちですが、学ぶほどに表現の奥深さと面白さを実感できる言語です。その豊かな表現力は、文学・哲学・映画・絵画など多様な文化を育んできました。ヴィクトル・ユゴーの文学やデカルトの哲学、フランス映画やモネに代表される絵画は、フランス語を通してこそ理解できる文化と教養の世界を示しています。国連やEUなどの国際機関で外交言語の一つとして用いられているフランス語は、カナダやアフリカ諸国など、世界のさまざまな地域で話されています。その背景には、植民地支配の歴史や移民の受け入れを通じて形成されてきたフランス社会のあり方があり、今日の多様性をめぐる課題とも深く関わっています。フランス語専攻では、言語の習得を基礎に、文化・社会・国際性を総合的に学び、広い視野と確かな教養を身につけることを目指します。

ストラスブールにある欧州議会

フランス語圏モロッコのブティック

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 1・2年生では、専攻フランス語の授業がそれぞれ週5回行われます。1年生は初級文法を中心に、講読・LL・会話を通して、読み書き・発音・リスニングなど基礎的な語学力を身につけます。2年生では中級文法へと進み、講読・作文・LL・会話を通して総合的な運用能力の向上を図ります。一部の授業は少人数制で行われ、きめ細かな指導が受けられます。また、文化理解を深めるための「フランス研究入門」も開講されます。
 3年生以降は、上級会話や作文に加え、文学・言語学・思想・歴史・社会などの専門科目を学び、その成果をもとに最終年度には各自のテーマに基づく卒業論文を作成します。
 こうした学びを深める機会として、3年生では、パリ、ストラスブール、グルノーブル、マルセイユ、ボルドーの大学へ、毎年10名以上が交換留学に参加しています。留学に備え、本専攻ではフランス語検定試験DELFの団体受験を実施するとともに、京都外国語大学主催の全日本学生フランス語プレゼンテーション大会にも継続的に参加し、入賞実績をあげています。

マルセイユ(交換留学先)の町並み

フランス語プレゼンテーション大会

到達度目標はこちら

フランス語専攻では、フランス語やフランス語圏の文化(文学、思想、歴史、政治、経済、芸術など)に関心があり、その正しい知識と理解を深めたいと思っている人を求めています。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
〈授業で〉
  • 明瞭にゆっくりと話されたら授業での課題や説明を理解できる。
  • 生活の基本的事柄の範囲であれば、説明を理解できる。
〈フランスで〉
  • 日常生活の具体的な事柄に関する基本的な語や表現、説明を聞き取れる。

相当レベル CEFR/A1

〈授業で〉
  • 明瞭に話されたら、授業に関する課題や説明を理解できる。
  • 社会や文化の基本的事柄の範囲であれば、教員の説明や他の学生のプレゼンテーションを理解できる。
〈フランスで〉
  • 個人や家族の情報、買い物、近所、仕事など自分に関係のある領域でよく使われる語彙や表現を理解することができる。
  • 生のメッセージやアナウンスの要点を聞き取るにはまだ困難が伴う。

相当レベル CEFR/A2~B1

〈授業で〉
  • 教員がおこなう様々な分野に関する説明を聞いて、概要を理解することができる。
〈フランスで〉
  • 標準語の自然な速度で話されるテレビやラジオの放送に対して、キーワードを聞き取り、大意を把握できる。
  • たとえ抽象的な話題であっても標準語であれば、かなり複雑な話の要点を理解できる。
〈日本語話者とフランス語話者がいる場面で〉
  • 会合、イベントなどにおいて、文化的相違を理解した上で、フランス語話者の含意まで把握し、情報を正確に日本語に直すことができる。

相当レベル CEFR/B2

読むこと
〈授業で〉
  • 教科書用に編集された簡単なテクストなら、理解できる。
  • 生のテクストでも日常的テーマで短く簡単なものなら辞書を用いて理解できる。
  • やや抽象性の高いテクストは、辞書を用いてゆっくり時間をかければ理解できる。
〈フランスで〉
  • 標示やポスター、カタログなどに書かれた、よく知られた名前や単語、単純な文などを理解できる。

相当レベル CEFR/A1

〈授業で〉
  • 短い簡単な具体的テーマについてのテクストならその場で理解できる。
  • 辞書を用いて時間をかければ、やや複雑なテーマについての文章を理解できる。
〈フランスで〉
  • 広告やパンフレット、メニュー、予定表のような具体的なテクストなら、その場で必要な情報を取り出すことができる。
  • 簡単で短い個人的な手紙や説明文を理解できる。

相当レベル CEFR/A2~B1

〈授業で〉
  • 辞書を用いれば、長くて複雑なテクストでも、フランス語文化圏の社会・文化についての知識を踏まえ、中身を詳細に理解できる。
〈フランスで〉
  • 辞書を用いずに、新聞や広告、説明書の内容などをある程度把握することができる。
  • 辞書を用いずに小説など物語の流れを把握することができる
〈フランス語話者と日本語話者がいる場面で〉
  • 文化的相違を理解した上で、フランス語話者の含意まで把握し、情報を正確に日本語に直すことができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
〈授業・フランスで〉
  • 教員がゆっくり話し、繰り返しや言い換えをし、また自分が表現するときに助けを出してくれるなら、必要に迫られた事柄やごく身近な話題について、過去と未来のことも含めて、簡単なやり取りをすることができる。

相当レベル CEFR/A1

〈授業で〉
  • 教員のリードがあれば、日常生活についての身近な話題や活動、あるいは教科書の内容について、なんとか会話を続けられる。
〈フランスで〉
  • 日常生活の具体的なテーマや場面についてであれば、会話の流れが滞ることがあってもやり取りをすることができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

〈授業で〉
  • 様々なテーマを用いた授業においても、議論に参加し、自分の意見を述べ、質疑応答などのやりとりを続けることができる。
〈フランスで〉
  • 日常生活で起こる様々な出来事に対し、状況を把握し、それに対処するためにフランス語でやりとりをすることができる。
〈フランス語話者と日本語話者がいる場面で〉
  • 会合、イベントなどにおいて、文化的相違を理解した上で、日本語話者の真意を正確に伝えることができる。

相当レベル CEFR/B2

表現一人で行う
報告など
〈授業・フランスで〉
  • 自分の住んでいる所や町、知っている人たちについて、簡単な語句や文を使って説明できる。
  • 自分の大学生活や日常生活の大まかな事柄については、過去と未来のことも含めて、なんとか伝えることができる。時間をかけて準備すれば小さいプレゼンテーションをすることもできる。

相当レベル CEFR/A1

〈授業・フランスで〉
  • 家族、周囲の人々、居住条件、学歴、職歴などについて、簡単な文章を使って説明できる。
  • 十分準備時間があれば、関心のあるテーマについて短いプレゼンテーションを行うことができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

〈授業・フランスで〉
  • 事前に十分な準備をすれば、時事問題など様々なテーマについて、資料を用いながらかなり長く複雑なプレゼンテーションを行うことができる。
  • 自分のよく知っている内容についてなら、即座に簡単な説明を行うことができる。
〈フランス語話者と日本語話者がいる場面で〉
  • 会合、イベントなどにおいて、文化的相違を理解した上で、真意を正確に伝えることができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

書くこと
〈授業で〉
  • 自分の趣味・関心事、週末や休暇中の出来事などに関してなら、十分な時間をかければ、少々の文法的誤りがあっても、短い説明文や報告文を書くことができる。

相当レベル CEFR/A1

〈授業で〉
  • 簡単な内容については、語彙の選択などに不適切さはあっても、その場で簡単な報告を書くことができる。
  • 十分時間をかければ、教科書やビデオの内容要約を書くことができる。
〈フランスで〉
  • 簡単な事柄についての短いメモやメッセージ、あるいは礼状などの個人的な手紙を書くことができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

〈授業で〉
  • ネイティヴチェックを要するが、専門的なものまで含めた様々なテーマについて、適切な構成を用いて、論旨の明瞭なある程度の長さのレポートを書くことができる。
〈フランスで〉
  • 辞書や例文集などのツールを用いれば、公式な手紙やメールを書くことができる。その際、文化的差異を意識して、誤解が生じないような説明を加えることができる。

相当レベル CEFR/B2~C1

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次
  • 日本の財団法人フランス語教育振興協会主催の実用フランス語技能検定試験DAPF
    ここには、初級(5級)から上級まで、7段階がある。大学1年生終了時には3級から準2級、2年終了時には2級から準1級、4年修了時には1級に受験可能である。
  • TCF(フランス文部省公認世界共通のフランス語能力診断テスト)
    この試験はフランス語圏以外の国の人々が対象。試験は(読解、文法、聞き取り)にわかれ、フランス語の総合力を診断する。初級から上級まで6段階がある。大学1年生終了時には、TCF A1もしくはA2、2年終了時には、TCF B1、4年終了時にはB2もしくはC1が受験可能である。
  • DELF-DALF(フランス文部省認定フランス語資格試験)
    DALF C1を取得するとフランスの大学に入学する際に義務づけられたフランス語能力評価試験が免除される。大学1年終了時には、DELF A1もしくはA2、2年終了時には、DELF B1、4年終了時にはDELF B2もしくはDELF C1が受験可能である。
  • フランス、フランス語圏の諸国、及びヨーロッパの文化について、歴史や芸術、生活慣習、時事問題など広く知識を身につけ、異文化の人々の性質や思考を理解できるようにする。
  • 関心のある専門分野の資料を図書館や雑誌、インターネットなどで収集し、問題を発見したり、比較検討して考察したりできる能力を身につける。
  • フランス語話者、日本語話者の双方がいる場面においては、文化的差異を意識化し、誤解が生じないように適宜補足説明しながら、双方の発言内容を正確に表現し、よりよい意思疎通に貢献できる。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

(フランス語専攻2年生の声)私の平日は主に授業とサークル、土日はアルバイトで埋まっています。空き時間は友達と過ごしたり、勉強したり、と絶えず充実しています。夏祭りや語劇祭などのイベントには、語科やサークルの仲間と楽しく取り組んでいます。特に語劇は語科の先輩達と交流する好機ですし、格別の達成感が得られるのでおすすめです。DELFや仏検にむけて勉強するのも楽しいですね。忙しいですが、全て自分のやりたい事で、本当に充実した生活です。

本場フランスのバゲットとクロワッサン

2025年度語劇祭『シラノ・ド・ベルジュラック』

教員紹介

卒業後の進路

 販売、流通、金融、銀行、旅行会社などがあります。公務員として活躍する人や、大学院に進学する人もいます。メーカーの営業なども海外への赴任や出張などがあるので人気が高く、様々な仕事の中でフランス語を使ったり、大学時代に培った他の文化への好奇心や適応力を仕事に活かしているというケースも少なくないようです。