デンマーク語専攻

 デンマーク語は北欧の国デンマークで約600万人によって話されている言語で、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派のノルド諸語(=北ゲルマン諸語)に属しており、隣国のスウェーデン語とともに東ノルド諸語を形成しています。一番近い姉妹語であるスウェーデン語や歴史的にデンマーク語の影響を強く受けたノルウェー語(bokmål)に似ていることは当然ですが、西ゲルマン諸語に属す英語やドイツ語にも似ています。デンマーク語専攻で学ぶ標準デンマーク語に関して言うと、語形変化はスウェーデン語やドイツ語よりも変化パターンが少なくなっているため、学習が比較的楽です。
デンマークは作家アンデルセン、哲学者キェルケゴール、作曲家カール・ニルセン、言語学者イェスペルセンや物理学者ニルス・ボーアなどを輩出しています。またデンマークは優れたデザインや家具、玩具のレゴ・ブロックなど、さらに、高度に発達した社会福祉や幸福度の高さでも知られています。
デンマーク語を学ぶことの魅力は、言語を学びマスターすること自体もそうですが、やはり文化的にも社会的にも魅力のあるデンマークの人たちと彼らの母語を使ってダイレクトに接することができるようになることや、彼らの文化を直接吸収し、より深く理解できるようになることでしょう。
デンマーク語専攻は1966年(昭和41年)4月に国立大学で唯一の北欧語専門教育機関として大阪外国語大学にデンマーク語学科として設置されました。後にスウェーデン語専攻も加わり、現在では両専攻に共通の授業科目も多数開設されています。デンマーク語専攻のクラスの規模は一学年20人前後という少人数なので、とてもアットホームな雰囲気の専攻語です。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 1・2年生の間は週に5コマのデンマーク語の授業があります(1時間=90分)。デンマーク人の先生による会話の授業を2コマ、日本人の先生による講読・文法・作文の授業を3コマ受講します。語学以外にも講義の授業があります。1年生では北欧一般事情に関する講義を受講することができます。また、2年生では北欧の社会、歴史、北欧文化概論の講義で各々の分野をより深く学ぶことができます。

 3・4年生では2年間で学んだデンマーク語を活かして、より専門的な勉強をしていくことになります。3・4年生の授業で欠かすことができないのはゼミです。3年生になると「言語」か「社会」のゼミに所属し、自分の研究テーマを決め、それに沿って研究を進めていきます。そして2年間のゼミでの研究成果を卒業前には卒業論文として仕上げます。

 どの授業も非常に魅力的なものばかりで、努力すれば4年間で日常生活に困らない語学力とデンマークに関する幅広い知識を身につけることができます。

到達度目標はこちら

デンマーク語の習得に強い意欲をもち、それを駆使してデンマークの言語・文学・社会・歴史のいずれかを積極的に探求しようとする人を求めます。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • 明瞭にゆっくりと話されたら授業での課題や説明の要点を聞き取ることができる。
  • 明瞭にゆっくりと話されたら挨拶や買い物、個人や家族に関する基本的な語や表現、説明を聞き取ることができる。

相当レベル CEFR/A1

  • 明瞭にゆっくりと話されたら、授業に関する課題や説明、他の学生のプレゼンテーションを理解できる。
  • 明瞭にゆっくりと話されたら、日常生活(挨拶、個人・家族の日常生活の情報のやり取り、買物、食事、交通、医療等)や学校関係(授業や図書館、事務室でのやり取り)、余暇(劇場、美術館、スポーツ等)での身近な話題について、要点・相手の伝達意図を理解できる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • 標準的な発音によって明瞭に話される個人的発話であれば、学業や仕事、その他の身近な社会生活、簡単な時事問題や文化的情報について、理解することができる。
  • 標準語のナチュラルスピードで話されるテレビ番組や映画、ニュースなどは、キーワードを聞き取り、その大意を理解することができる。

相当レベル CEFR/B1~B2-1

読むこと
  • デンマーク語学習者向けに平易な文体で書かれたテキストなら、辞書を用いて理解できる。
  • 標示や広告、ポスター、カタログなどに書かれた、よく知られた名前や単語、単純な文などを理解できる。

相当レベル CEFR/A1

  • デンマーク語学習者向けに平易な文体が書かれたテキストや短く簡単な文体で書かれた散文なら、その場で理解できる。
  • 辞書を用いて時間をかければ、社会や文化に関するやや複雑なテーマについての文章を理解できる。
  • 広告やパンフレット、メニュー、予定表のような具体的なテキストなら、その場で必要な情報を取り出すことができる。
  • 簡単で短い個人的な手紙文や説明文を理解できる。
  • 相当レベル CEFR/A2~B1

  • 日常生活の情報に関する新聞記事やインターネット上の文章などは、基本的に辞書の助けを借りずに、その内容の大意を理解することができる。
  • 現代デンマーク語で書かれた文章のうち文化、社会、歴史に関する専門的な内容のテキストは、辞書の助けを借りて、その内容を正確に理解することができる。
  • テレビや映画などの画面にあらわれるデンマーク語字幕を追って、その大意を理解することができる。

相当レベル CEFR/B1~B2-1

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 教員や相手がゆっくり話し、繰り返しや言い換えをし、また自分が表現するときに助けを出してくれるなら、挨拶や個人・家族の日常生活の情報について、過去と未来のことも含めて、簡単なやり取りをすることができる。
  • デンマークでの生活においては、買い物や道順など簡単なセンテンスであれば会話をすることができる。

相当レベル CEFR/A1

  • 教員や相手のリードがあれば、日常生活(挨拶、個人・家族の日常生活の情報のやり取り、買物、食事、交通、医療等)や学校関係(授業や図書館、事務室でのやり取り)、余暇(劇場、美術館、スポーツ等)での身近な話題について応答し、自分の伝えたい内容(質問、情報伝達、依頼・要求等)について、ゆっくりと表現することができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • デンマークに関する背景知識を前提に、日常生活(挨拶、個人・家族の日常生活の情報のやり取り、買物、食事、交通、医療等)や学校関係(授業や図書館、事務室でのやり取り)、余暇(劇場、美術館、スポーツ等)での身近な話題について、会話の流れに沿って主な内容をつかみ、その話題に関して適切な応答をし、会話の展開をすることができる。

相当レベル CEFR/B1~B2-1

表現一人で行う
報告など
  • 自分の住んでいる所や町、知っている人たちについて、簡単な語句や文を使って説明できる。
  • 自分の生活や考えについては、過去と未来のことも含めて、時間をかけても、また間違いがあっても、伝えることができる。
  • 時間をかけて準備すれば短いプレゼンテーションをすることもできる。

相当レベル CEFR/A1

  • 普段の生活、家族、周囲の人々、居住条件、学歴、職歴などについて、簡単な語句・熟語・文などを使って説明できる。
  • 簡単な時事問題や文化的情報、本や映画のあらすじについて、十分準備時間があれば、短いプレゼンテーションを用意し行うことができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • 個人的なテーマだけでなく社会や文化の専門的なテーマについても、事前に準備すれば、その内容について書面資料を作成し、口頭でプレゼンテーションすることができる。

相当レベル CEFR/B1~B2-1

書くこと
  • 自分の趣味・関心事、週末や休暇中の出来事などに関してなら、十分な時間をかければ、文法的誤りが多くても、短い説明文や報告文を書くことができる。

相当レベル CEFR/A1

  • 個人的情報(履歴、将来の希望、家族関係、好みや余暇の過ごし方、ふだんの生活)や学業関係、町や気候・天気についての情報については、文法的誤りやテキスト構造上の不適切さはあっても、その場で簡単な報告を書くことができる。
  • 十分時間をかければ、教科書やビデオの内容要約を書くことができる。
  • 簡単な事柄についての短いメモやメッセージ、あるいは礼状などの個人的な手紙を書くことができる。

相当レベル CEFR/A2~B1

  • 口語的な文体によって、簡単なメモや手紙、メールなどの文章を書くことができる。
  • 社会や文化の専門的なテーマについて習得した背景知識をもとに、辞書や文法書などの助けをかりながら、卒業論文の概要など、まとまりのある一定量の文章を書くことができる。

相当レベル CEFR/B1~B2-1

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得
専攻語科目(演習)
1・2年次
3・4年次

DLTC (Danish Language Testing Consortium) 主催のデンマーク語検定

  • レベル1 (Prøve i Dansk 1):筆記(CEFR・A2に相当):会話(CEFR・B1に相当)
  • レベル2 (Prøve i Dansk 2):筆記(CEFR・B1に相当):会話(CEFR・B1とB2の中間に相当)
  • レベル3 (Prøve i Dansk 3):筆記(CEFR・B2に相当):会話(CEFR・B2に相当)
  • 最終レベル (Studieprøven i dansk som andetsprog for voksne udlændinge):筆記(CEFR・C1に相当):会話(CEFR・C1に相当)

各テストは13段階で評価され、6点以上が合格となる。因みに、デンマークの大学(国立)に北欧以外の外国人が入学するための要件として、最終レベル(Studieprøven i dansk som andetsprog for voksne udlændinge)の6点以上が設定されている(ただし、医学部と歯学部では8点以上が要求される)。

  • デンマークを中心とした北欧世界における言語、文学、社会、文化、歴史などに関する豊富な知識をもち、新たな情報をみずから調査・整理し、理解することができる。

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

 デンマークへの留学には主に、大阪大学とコペンハーゲン大学や南デンマーク大学との交換留学制度を利用する方法、自費で全寮制のフォルケホイスコーレに留学する方法の2つがあります。デンマーク語専攻でも3年生前半あたりから多くの学生がデンマークへ留学し、帰国後デンマーク語運用能力に大きな成果をもたらしています。またデンマーク語劇は2年生が中心となり、長年続いている専攻語の伝統です。とりわけ近年は外国人教員が脚本、演出ともに多大なサポートをしてくれるお蔭で、学生たちの取り組みがますます積極的になり、デンマーク語を学ぶ上でなくてはならぬ存在となっています。

教員紹介

卒業後の進路

 ここ数年の傾向は、特定の業種に偏ることなく、学生は各々自らの資質に合った企業を選んでいるように見受けられます。電気などの主要メーカー、旅行・運輸会社、IT・通信企業、金融機関などが比較的多いと言えるでしょう。また、公務員・教員になる学生や北欧系の企業(北欧家具や北欧系の薬品会社など)に就職する学生もいます。

専攻のホームページ