日本語専攻

 外国語学部に日本語専攻があるというのは、ちょっと不思議な感じがする人もいることでしょう。日本語専攻には日本語を母語としない留学生だけが入れると思っている人もいるかもしれません。もちろん日本語専攻には留学生もいますが、多くは日本人学生です。日本語を母語とする人はもちろん無意識に日本語を使いこなすことができます。でも例えば留学生に「正門の前で車を止める」と「正門の前に車を止める」はどう違うか尋ねられたらどう答えればよいでしょうか。無意識のうちにできることであっても、なぜそうなのかと意識化して考えることは意外に難しいことです。それはちょうど、母語以外の言語を「外国語」として学ぶように、母語である日本語を「外国語」としてあらためて意識化して学ぶことなのです。留学生と日本人学生が同じクラスの中で日本語を「外国語」として学ぶのは、双方の学生にとって大きな刺激となります。

専攻語紹介

教育・カリキュラム

 日本語専攻では、外国語学部が提供している25(留学生用の専攻語日本語を含む)の専攻語の中から1つを身につけ、その上で日本語・日本文化を客観的に捉えること を目標としています。最初の2年間は、外国語学部の25の外国語のうちから一つを専攻語として学ぶと同時に、日本語専攻の基礎的な科目を学びます。3、4年生では、言語学・日本語学・日本語教育学・日本文化学の領域にわたって、日本語を外国語のように観察し客観的に見る目を養えるよう指導しています。特に日本語教育に関しては、本学日本語日本文化教育センターをはじめ、国内外の教育機関の協力を得、日本語教育の現場見学や教育実習の機会も設けています。

到達度目標はこちら

外国語を身につけ、外国の事情を知った上で日本語・日本文化を客観的に捉えることに興味のある人、日本語教育に深い関心のある人、外国語を基盤にグローバルな観点から日本を世界に発信する意欲のある人を求めています。日本語話者としての自分が、世界の中でどんな位置にあるかを考えて世界を認識する、世界の視点から日本語・日本文化を見つめ直す。これに応えられる人材の育成を目指しています。

理解すること

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
聞くこと
  • 自分がある程度知っている内容についての大学の講義を辞書等の補助を使って理解することができる。
  • テレビニュースがおおよそ理解できる。

相当レベル CEFR B2~C1

  • 初めて聞く内容の講義でもおおよそ理解することができる。

相当レベル CEFR C1

  • 母語話者にかなり早いスピードで話されても、生であれ、放送であれ、どんな種類の話し言葉も、ほぼ問題なく理解できる。

相当レベル CEFR C1~C2

読むこと
  • 大学の授業で使われる教科書や参考文献、新聞記事や一般的な雑誌、インターネットなどの記事を辞書を使いながらであれば読むことができる。

相当レベル CEFR B2~C1

  • レポートを書くのに必要な専門書、論文などを辞書をひかなくてもおおよそ理解することができる。

相当レベル CEFR C1

  • 長くて複雑なテクストでも、自分の専門はもちろん、専門外であっても、中身を詳細に理解できる。
  • 意味や文体の微妙な違いを読み取り、明示的な意味と同時に暗示的な意味も理解することができ、幅広い分野にわたって、長い複雑なテクストを理解できる。

相当レベル CEFR C1~C2

表出

専攻語科目(1年実習) 専攻語科目(2年実習) 専攻語科目(演習)
話すこと やりとり会話への参加
  • 場面に応じた丁寧さで母語話者と会話ができる。
  • 授業中に自分の意見をわかりやすく述べることができる。

相当レベル CEFR B2~C1

  • 場面と話し相手を考慮して、適切な会話ができる。
  • 授業中に他の学生の意見を踏まえながら自分の意見を述べて議論できる。

相当レベル CEFR C1

  • 母語話者を相手に、違和感を抱かせずに、言いたいことを適切に表現できる。
  • 幅の広い語彙、表現を使いこなすことができ、スムーズに相手との会話を進めることができる。
  • 一般的、学術的、あるいは職場にふさわしい幅広い話題について、流暢に、正確に、また場面や相手に合わせて効果的に言葉を使うことができる。

相当レベル CEFR C1~C2

表現一人で行う
報告など
  • ハンドアウトを使いながら自分のよくわかっている内容について、口頭発表ができる。

相当レベル CEFR B2~C1

  • ハンドアウトなどを効果的に使いながら、わかりやすい口頭発表ができる。

相当レベル CEFR C1

  • 自分の専門分野はもとよりそれ以外の複雑な話題についても、明瞭かつ詳細な記述やプレゼンテーションができる。
  • 下位項目をまとめたり、一定の要点を展開しながら、適切な結論に持って行くことができる。

相当レベル CEFR C1~C2

書くこと
  • 口頭発表のためのハンドアウトが作れる。
  • あるテーマについて、自分の意見をレポート形式で書くことができる。
  • フォーマルな手紙が書ける。
  • 履歴書が書ける。

相当レベル CEFR B2~C1

  • 口頭発表のためのハンドアウトを、文章、図表、写真などを効果的に用いながら作ることができる。
  • レポートを文献などを効果的に引用しながら的確な文体で書くことができる。

相当レベル CEFR C1

  • 自分の専門分野で、明瞭で論理的構造を持った長い論文(卒業論文)が書ける。
  • 複雑なテーマについて、議論を整然と展開して、レポートを書くことができる。
  • 読者に重点や主張がわかるように、適切かつ効果的に論理を構成し、それを表現することができる。

相当レベル CEFR C1~C2

その他

1・2年次
目標言語圏又は日本で実施されている公式語学検定試験についての概要
3・4年次
言語の応用力及び地域文化の専門的知識の習得

到達度評価制度とは

外国語学部では、専攻語教育に関して、2007年度より「到達度評価制度」を取り入れています。
25専攻語毎に1年次、2年次、3・4年次に分けて提示しています。
その特徴は、以下のとおりです。

  • ・言語学習の「聞き、話し、読み、書く」の4技能のうち、「話す」は「やりとり(対話)」と「表現(独話、発表等)」に分けて考え、計5項目として記述してあります。
  • ・各専攻語の提供する専攻語教育において、何が目指されているのかを示してあります。
  • ・目標の記載は、否定形を使わず「0できる」という能力表現(Can-do Statements)で記述してあります。
  • ・ここに記載されているのは、基本的に本学の専攻語プログラムをきちんと履修すれば長期留学をしなくても
    6割以上の受講生が到達できる目標と考えられています。

この到達度目標の枠組みは、欧州評議会が2001年に発表したCEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)を参照して2007年に作成され、2013年に本学外国語学部がめざす教育目標、枠組みに沿った形で全面改定を行い、内容をさらに充実させたものです。
自分の専攻語の目標を見定めて、自分の言語能力を技能別に把握しましょう。卒業時点での目標はもちろん、生涯にわたる自分の専攻語の到達目標を考えて、各段階で自分自身の納得する到達目標を立てましょう。そのような生涯学習の中の位置づけに基づき、学習目標や方法を主体的に考えて「自律的学習者autonomous learner」になりましょう。そのために上の表を活用してください。

学生生活

 日本語専攻では、一般の学生と留学生が一体となって、活気のある授業を展開しています。また、在学中に英語圏、専攻語の国や地域のみならず、日本語教育の実習として他の地域への留学の可能性もあります。本学の留学生に日本語を教えるチューターの仕事をする機会もあります。

教員紹介

卒業後の進路

 卒業生は、一般企業(銀行、旅行業、航空会社、マスコミ、出版社、服飾関係、製薬会社、IT関連企業、日本料理店等)への就職や、 公務員、中学・高校教員などの仕事に就く人が大半ですが、海外で日本語教師として働く人や、大学院に進学する人も多いのが特徴です。