留学体験談 「大好きなデンマーク人、大好きな学校」 塚本花女(留学時4年生)


 

【留学先学校名】
・Grundtvigs Højskole(2015年7月~2016年2月)


 私はシェラン島で3番目に大きな街ヒレレズにあるGrundtvigs Højskoleに通っていました。全校生徒は約80人で、現地人がそのほとんどを占める学校を選びました。
 最初の頃は言葉の壁があり、デンマーク人同士が仲を深めていくスピードに追い付けませんでした。その状況から落ち込むこともありました。
 しかし、生徒達、先生方と、学校に関わる全ての人たちが優しく寄り添ってくれました。本当にその全員に感謝しています。
 彼らに弱音を吐いたり、聞いたり、一緒に運動したり飲んだりして、徐々に徐々に距離が縮まって行きました。特に毎週末にはパーティーがあり、楽しくもありましたが、はしゃいで負傷したり記憶を無くして人に迷惑をかけたりしたこともあり反省しています。
 デンマーク人は本当にお酒に強い人が多く驚かされました。それにみんな活動的で、トレーニングなど運動やアウトドアも大好きです。また、家というものを非常に大切にしていると感じました。数か月滞在するだけの部屋にも、飾りつけを皆たくさんしていて、その習慣は私にも伝染しました。家の見た目が綺麗で自分好みだと、なんとなく気分も明るくなると思います。

 Grundtvigs Højskoleでは、半年間に二度の遠足がありました。まずは、学期が始まったばかりの8月にチェコ・ポーランドへ。クライミングやサイクリング等のアウトドアを体験したほか、アウシュビッツも訪れました。盛りだくさんで良い旅行でした。12月のベルリン遠足ではより自由度が高く、ほとんど放し飼いでした。仲良くなった友人達と回って飲んだりして、楽しかったです。

    
              <遠足 チェコにて>
 
 学校の授業では、合奏やコーラスが一番好きでした。発表会に向けて皆で空き時間に練習するのは、中学や高校生活に戻ったような感覚ですごく楽しかったです。またそういった実技の科目は語学力によるディスアドバンテージもないので、みんなとの仲をより深められました。
 首都に近く比較的都会なので、田舎の学校よりもみんな出かけることが多く、沢山話して語学力を上げるという点では良くないのではないかと意見もあります。しかし、都会であるというその点と歴史があるという点からか、多くの知識人やバンドが来てくれ、その講演やライブを聞くことが出来ました。また、バスに乗り合わせ劇場などに行き、オーケストラコンサート、オペラ、演劇を観る機会も何度もありました。特にオペラやデンマーク語の演劇などはなかなか観る機会が無いので、いい経験になりました。また、映画館も近くて良かったです。というのも、スターウォーズの七作目の公開初日に、同作品ファンの生徒達と観に行くことができたからです。鑑賞後は皆興奮して熱く議論を交わしました。
 食事についても、ビュッフェ形式ですが、美味しくて毎食種類も豊富だったのでとても満足していました。余談ですが、この留学後にインターンシップでデンマークの客船に3か月間滞在しましたが、そのときに学校の食事が恋しくなりました。長期間滞在する上で、食は本当に大事なポイントです。
 
 私は、留学に行ってよかったと心から思っています。今しかできないことですし、自分の常識が通じないところへ一人で飛び込んで生活をするというのは、自分を客観的に見るきっかけにもなりました。デンマークに溶け込むだけでなく、私が教えた折り鶴や「カンパイ」の言葉が流行るなど、日本の文化も発信できたのも良い経験になりました。
 留学生活の中で、デンマークのこと、何よりデンマーク人のことが大好きになりました。本当にhyggeligな所です。特にデンマーク語専攻に入学した方々には、とにかく一度、旅行でもいいので足を運んでみることをおすすめします。


    
             <クリスマス休暇 友人宅>

    
           <クリスマスのコーラス発表会>