留学の成果と語学力 玉岡宏隆(留学時3年生)


 
 
   

【留学先学校名】
・Brandbjerg Højskole (2013年8月~2013年12月)
・Rødding Højskole (2014年1月~2014年 6月)

 私は2013年の夏から約10か月間デンマークのフォルケホイスコーレに留学しました。私は以前にもデンマークを訪れたことがあり、デンマークへの再訪は私の長年の夢であり目標でした。それを留学という形でかなえることができて、恵まれた環境に感謝の気持ちでいっぱいです。
 15歳の夏に海外派遣生としてデンマークに一週間滞在したことがきっかけで、デンマークという国に興味を持ちました。日本に帰国して以来デンマークのことを調べようと思ってもなかなか情報が見つからない。いったいどこでデンマークのことをもっと詳しくなれるだろう、と探した結果大阪大学のデンマーク語専攻を見つけました。その瞬間から私の目標はデンマーク語専攻に入学してデンマークについて学ぶこと、そしてきっかけの地デンマークにもう一度行くことでした。そんな7年越しの夢がかなった瞬間でもある留学生活は、私にまた新たな原動力と目標を与えてくれました。
 とにかく留学生活は非常に得るものが多く、人生の中で最も濃い10か月間でした。北欧特有の学校であるフォルケホイスコーレは全寮制であり、生徒全員が共同生活を送る中で“人間的成長を目指す”学校であると私は捉えています(もちろん学校によって違いはありますが)。全員でご飯を食べ、皿洗いや掃除を分担し、自由時間には遊んだり会話をしたり、週末にはイベントを企画する。毎日が合宿のようなものと思ってもらったらイメージしやすいかもしれません。とにかく楽しむことを最優先にして日々の学校生活を送っていました。
 留学する時はデンマーク語力にまだ不安があったので、一校目は英語で授業を行い生徒も国際色豊かなBrandbjerg Højskoleに行きました。この学校にはデンマーク語が全くできない生徒もいたので自然と校内の公用語は英語でした。ただ「大学でデンマーク語を勉強していてデンマーク語を話せるようになるために留学した!」というと練習のためにデンマーク語で話しかけてくれる人もたくさんいて二校目へのいいステップになりました。二校目はというと、Rødding Højskoleという、ほぼデンマーク人のみの学校へ行きました。授業もデンマーク語、みんなと楽しくおしゃべりする時もデンマーク語、わかんなかったことを説明してもらうのもデンマーク語。さすがに最初は楽しむ暇もありませんでした。だんだんと語学力もついてきてみんなの話にやっとついていけるかなーと思い始めるころには留学も残すところあとわずかでした。英語が主な使用言語のフォルケホイスコーレに行くことのメリットは、英語力も多少つくこと、二校目への良い準備期間になることだと思います。しかし私が一校目で踏んだステップは本来日本にいたときにやっておくべきことでした。留学での語学力の成長は、留学へ行く前の努力がカギを握ることは間違いありません。
 留学の充実度は語学力と比例するのではないかと私は思います。留学してデンマークを肌で感じることができました。授業で学んだことが正しいということを確かめることができました。しかし所詮“肌で感じる”ことしかできず、もっと深いところまでは知ることができませんでした。毎日を消化するので精一杯だったからです。だから私の次の目標は、「デンマークを深く知る」ことです。次デンマークへ行くチャンスがあったらそれを無駄にしないためにも、デンマーク語の勉強を頑張りたいと思います。