忘れられない、私のデンマーク留学        永廣千怜(留学時3年生)

          写真1 キャンパス
                 写真1 南デンマーク大学


【留学先学校名】
・Syddansk Universitet (南デンマーク大学)(2015年 9月 ~ 2016年 6月)


私は外国語学部の交換留学制度を利用して、デンマークの第三の街オーデンセに約10ヵ月間留学していました。デンマーク語専攻の中では大学留学者は少数派なので、私の南デンマーク大学での生活などを初め詳しくご紹介したいと思います。


①大学生活について
南デンマーク大学のメインキャンパスであるオーデンセキャンパスは市内中心部から約5km程離れたところに位置しています。大学の建物はモダンで新しいデザイン。周辺は森や草地に囲まれ、静かな環境で落ち着いています。日本人学生の数はかなり少なめです。


授業は主にデンマーク語、英語で開講されています。私は人文学部に所属し、英語の授業を選んで履修していました。主に履修していたのがScandinavian Area Studies というコースの授業です。北欧地域研究をされている先生方が講義を行い、受講生は主に留学生が多いコースでした。学生が履修できる単位数は制限されていて、交換留学生だと週に3~5個程度の授業を取るのが平均的です。多くの授業では事前にリーディングをしてくることが求められています。授業形式は、文系だと座って聴講する講義形式が多く、途中でディスカッションやグループワークが行われることもあります。期末試験は筆記試験、レポート、口述試験などの形式があります。学生と教授は格式ばらず、対等な関係性にあることが多い印象でした。


図書館や勉強専用スペースでは集中して勉強や作業ができます。カフェテリアのご飯とパンはホテルのビュッフェみたいに洒落ていて学生にやさしい価格!サークルなどは日本の大学に比べるとそれほど盛んではありませんが、ジムやプールが使えたり、大学がパーティー会場になってイベントが行われたり、活気づいたキャンパスを味わうのも楽しいです。


②寮生活について
私は大学からほど近い寮で生活していました。大学を通して紹介された所でデンマーク人学生が多く住んでいる寮でした。キッチンを他の人とシェアし、リビング、バスルームは自分専用で、都会に比べると家賃もそれほど高くなく暮らしやすいところでした。寮によっては留学生の割合が多い寮もあったり、大学からの距離も近かったり遠かったりと様々です。ある程度プライベートも確保され、同時に共同生活も楽しめる寮に入れたのでよかったです。


③語学学校について
デンマーク語の上達のために街の語学学校に週1回程通っていました。無料で通学でき、オンライン教材や本の貸し出しなどデンマーク語を学ぶためのリソースを使えたこと、デンマーク語を学ぶ様々な国籍、年齢層の人と知り合えたことも、語学習得以外の収穫になりました。マイナー言語を学ぶにあたって留学はとても有効な手段だと思います。


④オーデンセについて
オーデンセは最も著名なデンマーク人であるH.C.アンデルセンが生まれた街です。中心部にはアンデルセン博物館や古い町並みが残る地区があり、童話の世界を思わせる風景が散らばっています。季節に応じたイベントも開催されます。多くのスーパーやショッピングセンターもあって、コペンハーゲンやオーフスなど他の都市にアクセスしやすく生活しやすい所です。


⑤留学の始まりから終わり
私が留学した目的は、デンマークに住むという経験をしてその国を理解したいと思ったからでした。本を読み人から話を聞いて知るだけではなく、自分の目でどうしてもデンマークを見てみたかったのです。デンマークについてさらに学ぶために、留学先の大学では北欧地域の現代文化や歴史、文学などの授業を受講しました。文化を理解するため、友人から話を聞き、イベントなどにも積極的に参加しました。そういった経験を重ねていくことでデンマークを様々な視点から見ることができました。そしてこれまでは私が頭の中で想像するしかなかったデンマークが、自身の中で徐々に実体をもつものとなりました。受験で専攻語を選ぶ時、世界で一番幸せな国というフレーズに惹かれデンマークに興味をもちましたが、留学体験を経てようやく自分なりに理解できてきた、と感じます。


    写真2 オーデンセのオブジェの前で              写真3 Egeskov城にて

 


⑥留学を終えて感じたこと
外国語学部にいると、誰でも一度は留学について考えることがあると思います。私もなぜ留学するのか、について先輩のアドバイスを聞いたり友人と話したりして考えました。人それぞれ考え方は違いますが、自分で納得できる目的を留学することに対してもっていればよいと思います。そして、外国語学部で言語を専攻している人はぜひその国に実際に行ってほしいなと思います。母国の文化を飛び出し異国の中で一定期間生活することは、必ずその人の人生に何か影響を与えます。私は長期留学をして、実際に行ってみることや自分の目で見てみること、がこんなにも自分の視野を広げてくれ、感覚を刺激してくれるのだと気づきました。


私は留学をしてさらにデンマークが大好きになりました。外国語学部に在籍する人は外国に積極的に行こうとする人が多いと思います。その気持ちを大切に、自分の人生をより豊かにするため、留学に挑戦されてはいかがですか。

           
            写真4 聖クヌート協会とアンデルセン像