デンマークの人、文化に触れあえた留学生活 松永有未(留学時3年生)


 

 
   

【留学先学校名】
・Rønshoved højskole (2012年8月~2012年12月)
・Rønde højskole   (2013年 1月~2013年 6月)
・Engelsholm højskole(2013年 7月~2013年 7月)

 「海外に行ってみたい」、小学生の頃からそう思っていた私がようやく留学できたのは去年の夏のことです。
留学するまでの最初にして最大の難関はデンマーク滞在中のプランを立てることでした。一度も行ったことのない国で、旅行よりも長い時間どのように生活するのかを考えることは私にとってかなり難しいことだったのです。まず学校を決め、学生ビザを取得するための手続きをし、航空券の手配、必要なものの用意や購入などなど出国に必要な準備に加えて滞在中の保険の加入など、多くの手続きが必要でした。先輩や先生方、友人と家族の力を借りてようやく準備を整えることができ、出国したのは2012年9月中旬のことです。

 まだ蒸し暑かった日本から13時間ほどのフライトを経てもう寒くなったデンマークへ。最初の学校にたどり着くのに苦労したことは今でも忘れません。ドイツとの国境付近にあった学校まで首都コペンハーゲンから長距離電車とバスを乗り継いで4時間半の長旅でした。駅のインフォメーションで「デンマーク語が通じた!」と喜んだのも束の間、自分が話すことができても相手のデンマーク語を聞き取るのに苦戦しました。どうにか聞き取った単語をつなぎ合わせ、途中で何度もたくさんの人に頼り、半ベソをかきながら学校についたころには外は薄暗くなっていました。その学校付近は本当に田舎で街灯すらなかったので「こんなところに本当に学校なんてあるのか」と疑ってしまうほどでした。

 留学中の生活ではなるべく英語を使わないことを心がけていましたが、学校にいるインターナショナルの生徒とは英語を使って話すことももちろんありました。デンマーク語にせよ英語にせよ、入ってくる情報も話すこともすべてが外国語のために毎日夜には疲労困憊して早い時間に眠たくなりました。初めはそうして一日一日が大変でしたが、全体を通して年齢や国籍関係なくたくさんの友達ができました。日本では体験できないようなアドベンチャーにも参加しましたし、デンマークのとてもかわいらしい、まるでおとぎ話に出てくるようなクリスマスも体験しました。暗くて寒くて長い夜の続く北欧の冬ですが、皆で暖炉を囲み、歌をうたって、話をして過ごす時間はまさに「冬」といった雰囲気で、私にとってはとても新鮮でした。また季節が移ると日本では見られない自然もたくさんあってピクニックに行くのが楽しくて仕方がなかったです。そうしてお散歩をしていると日本とは時間の流れが違うような気がしてきますよ。

 またとても驚きだったのは、学校でも町でもどこでも、助けを求めると、「もちろん助けるよ!何で困っているの?」と、皆とても快く手を貸してくれることです。言葉のわからないときには何度聞き返しても最後まで付き合ってくれる友達もいて感謝しきりでした。街で道を尋ねた時も一緒になって地図を見てくれたりゆっくり話してくれたりと、本当に助け合って生活していくということの大切さを学べたと思います。デンマークにいる間にたくさんの人に出会いましたが、その皆と同じように時間を共有して、笑いあい、議論できたのは英語だけでなくデンマーク語を学んでいたのが大きな理由だと思います。その土地の言葉で通じ合えた時の喜びは言語を学ぶ一つの醍醐味だと思います。もちろん北欧ならではのかわいらしい街並みも最高です。デンマークを留学先に選んで本当によかったと思える、実りある11か月を過ごせました。