8か月のデンマーク滞在を通して 日下典子(留学時3年生)


 

 
   

【留学先学校名】
・Brandbjerg Højskole (2013年 8月~2014年 3月)

 8か月のデンマーク滞在で学んだこと

 私は7か月半ほど、ユラン半島にあるフォルケホイスコーレに留学していました。時期によって異なりましたが、20~40人ほどの比較的規模は小さめの学校で、海外からの生徒は5~7人ほどでした。海外からの生徒は私と、もう二人のデンマーク語専攻の学生以外、全くデンマーク語を勉強したことのない生徒だったので、学校での日常会話はすべて英語で行われていました。それでも、ルームメイトやほかの友達と個人的に話すときにはデンマーク語にも触れ、自分が日本で勉強していた言語が日常的に聞こえてくる環境はある意味不思議な感じがすると同時に感動的でした。
 授業はメインサブジェクト1科目と選択科目2科目で、残りは全員参加の討論や講義型の授業でした。授業全体を通して私が感じたのは、デンマーク人の生徒ははっきりと自分の意見を持っていて、それを周りの人たちに的確に伝えるのが上手だということです。デンマーク人、ヨーロッパ人に囲まれていると、自分ははっきりと意見を持っていることは少ないと感じるようになり、初めはとても苦手だった討論にも徐々に積極的に参加するようにしていきました。また留学生はデンマーク語の授業を選択することができたのでもちろんわたしはデンマーク語の授業を7か月半通して受けました。ただ、他の留学生は全くデンマーク語が話せなかったので、授業は基礎からでした。2年半すでに勉強していた私にとっては簡単すぎることも多く、担当の先生に相談してみると、1コマ3時間の授業のうち1時間ほど私が先生として教える時間を作ってくれたのでした。デンマーク語を全く知らない人たちに、英語でデンマーク語を教えることは本当に難しかったです。しかし、先生も助けてくださり、自分自身も教えることから学ぶことがいろいろあり、とても貴重な体験ができました。
 平日の授業後や休日は他の生徒とともに、雑談やゲームやスポーツをしたり、映画を見たり、編み物をしたりして楽しい時間を過ごしました。校舎の裏には大きな森が広がっていたので散歩に行くこともありました。その森へは、自由時間のほかに授業でも出かけることがたくさんあり、そこでの活動を通して日本人よりもデンマーク人が自然と親しんでいることがわかりました。
 日本で学んでいた言語を母国語として話す人たちの集団にいることは、不思議な感じがして、でもたくさんの新しい発見があり、また学んだり聞いたりしたことのあった文化や社会に触れることができたのも本当に素晴らしい経験でした。様々な場面でのカルチャーショックを通して学ぶこともたくさんありました。そして、約8か月間の滞在によって知り合った人たちとデンマーク語で流暢に話せるようになりたいと考えるようになり、デンマーク語の学習意欲がさらに高まりました。またこの期間に学んだことはほんの一部なので、言語以外の部分についてももっと知りたいという気持ちも生まれました。これからの大学生活や人生にプラスになることがたくさんあったので、留学して本当に良かったなと思います。