私が過ごしたフォルケホイスコーレ  角矢 夏希 (留学時3年生)

【留学先学校名】
 Brandbjerg Højskole  (2013年 8月 ~ 2013年 12月)
 Uldum Højskole     (2014年 1月 ~ 2014 年 6月)

 私は約10か月間上記のフォルケホイスコーレに留学しました。これからそれぞれの学校について、振り返っていきたいと思います。少しでも、デンマーク留学を考えている方の参考になれば幸いです。
 Brandbjerg Højskoleはユラン半島のVejle(買い物などができる少し大きな町)からバスで20分ほど行ったところにあります。学校の周りには本当に何もなくて、週に一回出るVejleまでの生徒が運転するミニバスの席は争奪戦でした。本数は少ないですが平日は公共のバスも出ています。この学校は小規模な学校でしたが、インターナショナルの学校だったので、全体連絡や、デンマーク人以外の生徒がいるときは基本英語を使用していました。もちろん、デンマーク語を勉強していることを伝えればデンマーク語で話してくれます。メインサブジェクトはアウトドアを選びました。この学校のアウトドアコースはかなり本格的で、ハードだと感じることもあるかもしれません。暑い時期はカヤックで海に繰り出したり、ユラン半島を横断しようと20キロ近く歩いたり、マウンテンバイクで山を下ったり、極寒の中テント泊をしたり、命綱をつけて本格的な木登りをしたり…。本当に多種多様なことを経験しました。デンマーク人はすごく体力があってアウトドアにも慣れている人が多いので、私は一人体力的にも技術的にもついていけずつらいときもありましたが、他のメンバーは最高にやさしく、いつも助けてくれるので、何とか最後までやり遂げることができました。かなりハードなように書いてしまいましたが、デンマークの自然はとても美しく、アウトドアコースはそれを堪能するのに最適だと思います。私も幾度となく言葉も出ない美しい風景に出会いました。少しハードな道のりでも、その先の素晴らしい景色に辿り着いた時の達成感と感動は一生忘れません。選択科目は期間で変わりますが、デンマーク語の授業があったので私は滞在期間中ずっと取っていました。他にも様々な科目を選択できます。デンマーク語漬けの毎日ではありませんでしたが、フォルケホイスコーレの生活に慣れるという面でいい学校だったと思います。

  

 Uldum Højskoleもユラン半島にあります。こちらは田舎といえども歩いて行ける距離に小さなスーパー、薬局などがあり、気軽にお菓子などを買いに行きました。生徒の人数は80人ほどで前の学校よりはるかに多かったので最初は不安でしたが、その分行事が盛大でとても楽しかったです。この学校は基本的にデンマーク語しか使いませんでした。1校目とは打って変わってデンマーク語漬けの生活だったので、最初は何を言っているか聞き取るのが大変でしたが、1校目で生活リズムがどんなものかわかっていたのでそこは助かりました。メインサブジェクトがなく、大学の授業のように時間割のコマをすべて好きな授業を選んで埋めていく方式でした。授業の種類が非常に多く、2か月ごとに授業が変わるのですが、毎回すごく悩みました。ここでもデンマーク語の授業を滞在期間中通して取っていました。ここのデンマーク語の授業は個人作業といった感じで、生徒それぞれがそれぞれの課題をやって、そこに先生が回ってくるという形式でした。日常生活がすでにデンマーク語なので、セメスターの終わりのころにはデンマーク語の授業を取らなくなる生徒もいました。この学校の大きな特徴はクラブ活動が盛んなことだと思います。本当に気軽に新しくクラブ(同好会?)を作ることも、参加することもできます。私も複数のクラブに参加していましたし、日本人メンバー主催で日本語教室クラブも開いていました。このクラブ活動は友達とさらに仲良くなれるいいシステムだと思います。また、パーティーが金・土と週二日あり、自分の住んでいる寮のグループが順番でパーティーを企画、運営するところも前の学校と違って新鮮でした。プールもあって、開放時間や授業で泳ぐことができます。

      

 自分の思いや言いたいことをうまく伝えられない環境での生活は、もちろんつらいことも悔しいこともたくさんあります。しかし、デンマーク人はすごく優しくて親切です。日々、周りの人に感謝する留学生活でした。過ごしていくうちに友達との仲も深まり、フォルケホイスコーレでは多種多様な貴重な経験ができます。私は本当に留学してよかったと思います。今後留学する皆さんも充実した留学生活が送れるよう願っています。