留学体験談  「フォルケホイスコーレへの留学」  N.K.(留学時3年生)

【留学先学校名】
・Rønde Højskole (2011年8月~2012年12月)
・Egmont Højskole (2012年1月~2012年6月)


 私は一年間休学して二つのフォルケホイスコーレに通いました。実はこの留学が私にとって初めての海外旅行で、留学に行く前は外国人とも授業以外でコミュニケーションをとったことさえありませんでした。もちろん不安な気持ちもありましたが、むしろ憧れのデンマークでの新しい生活に胸がわくわくしていました。実際、正直初めは辛かったです。


 私の言語能力が低いために相手に話を聞いてもらえなくて悔しい思いをしたり、周りが何を言っているのかわからなくて話についていけず、その場にいるのが辛くてから会話の場から離れたりしていました。今思うと完璧なデンマーク語をしゃべらないといけないと思い込んで、しゃべれなくなっていたのだと思います。早く彼らのように話せるようにならないと、と焦って部屋でラジオを聞いたり、本を読んだりしていました。しかし急激にデンマーク語ができるようにはなりませんでした。すると、ルームメイトが私に言いました。デンマーク語を学びたいなら、デンマーク人と一緒にいるのが一番だよ。それから私は常に生徒の共有スペースにいるようになりました。話に入れなくて聞いているだけでもいいので、彼らと一緒に時間を過ごそうと決めました。長い時間彼らと過ごす中で、出来事を共有して自然に会話のきっかけも生まれました。何より彼らデンマーク人のこと、彼らの文化が分かるようになり、さらに彼らのことが好きになりました。自分からも積極的になろうと決めて、ささいなことでもいいので生徒全員に声をかけ続けました。その中で彼らが素敵な人々であることを改めて実感し、こんな素敵な仲間たちともっと仲良くなりたい、このまま別れるのは惜しい、とさらにデンマーク語上達への思いが強くなりました。


 それから少しずつ彼らと深く心を通わせるようになります。そしてある日ルームメイトと喋っていると、私が話しているときに突然彼女が微笑みました。なぜか尋ねると、「あなたは本当にデンマーク語が上達したわね。」と言ったのです。自分では全く上達しないと開き直っていたので驚きました。彼らとの関わりの中でいつのまにか私のデンマーク語は上達していたのです。


 私の身に起きた変化は語学の上達だけではありません。私自身が大きく変わっていました。デンマーク人たちと共に生活して、互いを理解し合い、助け合ったことで私の価値観が大きく変わりました。自分の言いたいことが思うように伝えられない環境で必死にもがいたこと、たくさんの新しいことに挑戦して達成したことが自分の自信になりました。私が留学生活で得たこれらのことは、私にとってかけがえのないものであり、今の私の強みになっています。留学は語学習得のための手段の一つと思われますが、私は言語能力のほかにも得られるものがあって、それらはこれからの人生に劇的な変化を与えるような貴重なものだと思っています。冒頭で留学生活は辛かった、とこれから留学を考えている方々をためらわせるようなことを言ってしまいましたが、苦しい経験も含めて私は自信をもって留学をおすすめします!!