2018年のニュース

日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を記念した講演会・座談会が開催されました(2018/12/21)

12月15日(土)「スウェーデンの文化とライフスタイル/フィーカで紡がれる時間」が開催され、60名強の方に参加していただきました。清水育男 大阪大学名誉教授による講演「fika(フィーカする)を通して知る日本とスウェーデンの文化の違い」に始まり,その後,スウェーデンのシナモンロールとクッキー2種類で,実際に参加者にフィーカを体験していただきました。

ルシア祭が行われました(2018/12/21)

12月13日(木)スウェーデン語専攻の伝統行事、ルシア祭が行われました。

語劇祭でスウェーデン語専攻2年生が公演しました(2018/12/6)

11月24日(土)スウェーデン語専攻2年生が『赤ずきんちゃん』を原作としたオリジナルの脚本の"Ljljekonvaljen (スズラン)"というスウェーデン語劇を公演し,日頃のスウェーデン語学習の成果を披露しました。

語劇祭でスウェーデン語専攻が公演します(2018/11/21)

11月24日(土)16時より、箕面キャンパスA416において、スウェーデン語専攻2年生が"Ljljekonvaljen (スズラン)"というスウェーデン語劇を行います。『赤ずきんちゃん』を原作としたオリジナルの脚本です。ぜひご覧ください。日本語字幕付き。

日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を記念した講演会・座談会を行います(2018/11/16)

日本・スウェーデン外交樹立150周年を記念して以下の講演会・座談会を行います。詳細は以下をご覧ください。定員50名です。
参加申し込みはこちらのフォームで登録してください。好評のため定員に達しました。

北欧文学朗読会が行われました(2018/11/16)

11月15日(金)Nordisk litteraturvecka (北欧文学週間)にちなんで、特任准教授グンネル・バリストゥルム先生の企画のもと、北欧文学朗読会が行われました。スウェーデンやデンマーク文学だけでなく、ノルウェー、アイスランド、フィンランドの詩や小説の抜粋の原文や翻訳が朗読され、本専攻の学生以外にも、北欧各国からの留学生も参加し、楽しいひと時を過ごしました。

NORLA(ノルウェー文学海外普及協会)による特別講義が行われました(2018/11/15)

11月9日(金)NORLA(ノルウェー文学海外普及協会)が来訪され、ノルウェー語および北欧語学演習の授業の一環として講義をされました。Oliver Møystad さん(NORLA)による 「ノルウェー語の色にまつわる表現」に関する講義に始まり、新進若手の作家であるMonica Isakstuen さん、Linn Strømsborg さんによる自身の作品紹介が行われ、学生との間で活発な質疑応答が行われました。開催に際しご尽力いただいた朝田千惠先生(非常勤講師、ノルウェー語)に感謝いたします。

北尾利夫氏が訪問されました(2018/11/1)

このたび、大阪外国語大学ドイツ語学科卒業生で、「知っていそうで知らないノーベル賞の話」(平凡社新書)の著者である北尾利夫氏が本専攻を訪問されました。 北尾氏には長年収集されてきたノーベル賞、アルフレッド・ノーベル関係の貴重な蔵書約60冊を5月に寄贈いただき、「北尾文庫」として研究教育に活用しております。

STINT Workshop and Seminar at Stockholm University(2019/10/11)

このたび、日本・スウェーデン150周年を記念して,9月11日と12日にストックホルム大学でセミナーとワークショップが開催され、本専攻のメンバーが参加しました。また、それに先立つ9月10日にはストックホルム大学日本語専攻の授業において、高橋教授と古谷准教授がゲスト講義を行いました。

STINT workshop(2018/9/11)
  • 午前の部:地域研究 (chair: Jaqueline Berndt)
  •   (1) 古谷大輔「日本における北欧史研究の回顧と展望」
  •   (2) 高橋美恵子「ワーク・ライフ・バランス研究の新たな地平―日瑞比較の視点から」
  • 午後の部:言語学・言語教育 (chair: Mitsuyo Kuwano Lidén)
  •   (3) 當野能之「日本語・スウェーデン語対照研究の可能性」
  •   (4) 梅谷綾「生涯学習としてのスウェーデン語―現状と課題」

STINT seminar (2018/9/12)
  • 清水育男「fikaを通して知る日本とスウェーデンの文化の違い」
  • 古谷大輔「アジアとヨーロッパをつなぐ媒介者−近世日本におけるスウェーデンの経験」

本ワークショップはSTINT(Stiftelsen för internationalisering av högre utbildning och forskning)の Sweden-Japan 150 Anniversary Grantsによる援助を受けています.

STINT Workshop at Osaka University(2018/07/02)

このたび、日本・スウェーデン150周年を記念して,ストックホルム大学日本語科のスタッフを迎えて,ワークショップを開催いたします。

日時:7月10日(火)13:00--16:00
場所:大阪大学箕面キャンパス,図書館4階AVホール(会場が変更になりましたのでご注意ください)
プログラム:
  • 「北欧ノワールから見た日本アニメ:シリーズ型物語、自国向け制作地球的ブランド」 ジャクリーヌ・ベルント(ストックホルム大学教授)
  • 「アニメ表現論の可能性と限界:幾原邦彦監督の仕事を例に」イーダ・キェルケゴール(ストックホルム大学大学院生)
  • 「宴の歌をマジメによむ 室町時代中期から江戸時代にかけてのラブソング」 リンデル 儘盟 グンナル(ストックホルム大学准教授)
  • 「連体助詞『の』による名詞修飾の理解と産出」桑野リデン充代 (ストックホルム大学専任講師)
  • (日本語教育における『の』を使用した名詞修飾の扱いについて)

本ワークショップはSTINT(Stiftelsen för internationalisering av högre utbildning och forskning)の Sweden-Japan 150 Anniversary Grantsによる援助を受けています.

北尾利夫氏よりノーベル賞関係書籍の寄贈(2018/05/16)

このたび、大阪外国語大学ドイツ語学科卒業生である北尾利夫氏から ノーベル賞、アルフレッド・ノーベル関係の貴重な蔵書約60冊の寄贈を受けました。北尾氏は ストックホルムでの海外勤務を契機にノーベル賞に関して研究を続けてこられ、2011年には「知っていそうで知らないノーベル賞の話」(平凡社新書)を上梓されています。同氏が長年に渡り収集された貴重な資料の中には現在では入手困難なものも含まれており、スウェーデン語専攻では「北尾文庫」として、今後の研究・教育に活用させていただきます。

Göteborg大学のEinar Korpus講師による特別講義が行われました(2018/05/08)

5月8日に大阪大学と学術交流協定関係にあるGöteborg大学からEinar Korpus講師が来学され特別講義が行われました。2時限目には氏の専門である「広告と広告のスウェーデン語」について、3時限目には「第二言語としてのスウェーデン語と検定試験SWEDEX」というテーマで講義があり、学生との間で活発な意見交換が行われました。

Svenska InstitutetからAnnika Rembe事務総長が来学されました(2018/04/26)

4月26日にSvenska Institutet(SI)からAnnika Rembe事務総長が来学されました。SIから、スウェーデン・日本外交関係150周年を記念して、スウェーデンへ留学するスウェーデン語専攻学生の渡航を支援するものとして100万円が贈呈されました。学生との交流会も行われ、活発な意見交換が行われました。

学位授与式でスウェーデン大使館賞と専攻語賞が授与されました(2018/03/22)

3月22日に行われた学位授与式で本年度のスウェーデン大使館賞と専攻語賞が授与されました。大使館賞は向梨渚さん(写真左)に、専攻語賞は西澤清華さん(写真右)に贈られました。

平成30年度大学入試センター試験 地理歴史(地理B)第5問問4への見解 (2018/01/15)

高橋美恵子、古谷大輔、當野能之の三名は、平成30年1月13日に実施されました大学入試センター試験地理歴史(地理B)の第5問問4につきまして、スウェーデン語に基づく研究教育を行っている大学に属する者の立場から、以下のような見解を公開します。

なおここに掲載する見解は大阪大学としての見解ではありません。あくまでも上記三名の見解です。またこの見解は、地理学ではなくスウェーデン語に基づく北欧研究を行う者からみた意見です。私たちがこの見解を公開する意図は、大学入試センターならびに本問に関わられた方々を批判するものではありません。私どももまたセンター試験の末端にあってこれに関わる者です。立場の違いはあれセンター試験に等しく関わる者として、センターならびに本問に関わられた方々の尽力に敬意を払うとともに、センター試験の社会的信頼を維持することに、私どもの研究で得られた知見を参考意見のひとつとして活かして頂きたいとの思いから、この見解を公開します。

(1)「どのような解答が求められていたのか?」

①この問題自体は新しい趣向を凝らした問題として作られたものと思います。とりわけ「AとBはノルウェー語とフィンランド語のいずれかを示している」という箇所については、判断の素材としてスウェーデン語の例があげられ、これをもとにスウェーデン語と似た言語であるノルウェー語がA、そうではないフィンランド語がBだと類推させる点で工夫が凝らされています。これは、スウェーデン語とノルウェー語がインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属し、フィンランド語がそうではないという点で、語族という考え方を教える地理Bの内容を踏まえた的確な出題だと思います。

②タの「ムーミン」とチの「小さなバイキング ビッケ」の選択については、例えば以下のような解答方法が考えられます。「ムーミンがフィンランドを舞台にしたアニメーションだと知らなくても、バイキングはノルウェーに関わるものだから、消去法からタの「ムーミン」がフィンランドに関するものを選ぶ。」この場合「北欧は8〜12世紀に活躍したゲルマン語派のバイキングたちが活躍した地域」だという点を知っていれば答えられるものだと思います。また、「ムーミン」や「小さなバイキングビッケ」のことを知らなくても、ノルウェーが面する西岸海岸性気候やフィンランドの位置するバルト楯状地といった地理的特徴への理解をもとに、選択肢の挿絵に描かれている内容(森や船など)を組み合わながら解答を推測する方法など、答え方は複数あろうかと思います。解答方法はそれぞれですが、いずれにせよ、この設問は「「図5中のタとチはノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション…である」ことを前提としながらつくられています。

(2)「この設問のどこに問題があるのか?」

①この設問が抱える問題は、設問の文章中に「図5中のタとチはノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション…である」と記されている点です。スウェーデン語を母語とするスウェーデン語系フィンランド人の作家トーベ・ヤーンソンがスウェーデン語で書いた一連のムーミン関連の物語の舞台は、「ムーミン谷」とされています。スウェーデン語研究室に属する教員が現時点で原作(ただし現時点では全9作すべてのスウェーデン語原典を確認できてはおりません)やトーベ・ヤーンソン関連の評論・資料などから確認できている限りで、「ムーミン谷」は架空の場所であり、フィンランドが舞台だと明示されておりません。

 講談社から1994年に出版された『ムーミン谷への旅』には、日本人読者にむけた紹介文ならびに第6章の扉に「親愛なる日本の読者のみなさん、フィンランドにあるムーミン谷は、たぶんあなたが思っているほどあなたのところから遠くへだたってはいないのです。」とあります。しかし実際に本書を読んでみると、本書は日本人の著述家たちがムーミンならびにフィンランドを紹介した書であり(本書はムーミン谷の物語のモチーフとなっているフィンランドの自然や生活の様子を紹介した入門書として非常に良質なものですので、ムーミンに関心のあるすべての方々に一読をお薦めします)、くわえて同書の第1章の冒頭に引用されているヤーンソン自身の言葉には、「ムーミン谷は、スウェーデンの祖父が住むしあわせな谷と、フィンランドの島々とがいっしょになって……それも、すてきにまざりあって…できたものです。」ともあります。

 例えば、スウェーデン大使館のFacebookが「ムーミン谷のモデルになったのは、ヤーンソン一家が夏の日々を過ごしたスウェーデン群島にあるブリード島です」と記されているように、トーベ・ヤーンソンは、スウェーデン領のブリード島の印象をモデルのひとつとしながらムーミン谷を描きました。また、ムーミン公式サイトで「第8作『ムーミンパパ海へいく』の巻頭に添えられた、ムーミン一家が移住する灯台のある島を描いた挿絵に「フィンランド湾」とはっきりかかれている」とあります。物語のなかのムーミン谷には、ムーミントロールの冬眠の期間に数日間夜の闇に沈んでいるという設定があるので、これが「極夜」現象の起きる北極圏のいずこかではないかと推測もできますが、これらの事実を上記のヤーンソン自身の言葉を踏まえて考えてみるならば、ムーミン谷はフィンランド湾に位置する島々とスウェーデンの谷の双方を自在に混交させながら創造された舞台だと思われます。以上、私どもはムーミンがフィンランドを舞台としているものとは現時点で断定できません。

(この問題とは関わりませんが、ムーミン公式サイトにあるように、私どもも、トーベ・ヤーンソンの「ムーミン谷に住んでみたい。そう思った瞬間、あなたはもうムーミン谷の住人なのです。」の言葉に従い、「ムーミン谷はフィンランドを含むどこか実在の場所にあるものではなく、現実とは別のファンタジーの世界である」という見解を支持します。)

②くわえて、スウェーデン人作家のルーネル・ヨンソンがスウェーデン語で記した『小さなバイキング』の舞台もまた、「ノルウェーとスウェーデンの海岸にはかつてバイキングと呼ばれる海賊たちが活躍していた」とあり、ビッケと愉快な仲間たちが住んでいるフラーケ村がノルウェーだとは明示されていません。また原作中には、ビッケの属するフラーケ村の一族はスウェーデンの部族だとの記述もあります。スウェーデンのバイキングたちがノルウェーやフィンランドに移住することは史実として確認できることですが、原作中にはビッケの一族がスウェーデンからノルウェーへ移住したとの記述もなく、この点から見てもノルウェーが舞台だとは言えません。さらに『小さなバイキング』の物語自体はスカンディナヴィアに限定されず、世界中を旅するものとなっています。従って、この作品がノルウェーを舞台としているとも現時点では断定できません。

(3)「問題を成立させるには何を確認する必要があるか?」

①以上の原作に関わる情報は、直接この設問に関わるものではありません。この設問は、アニメーション作品の挿絵を見せて、舞台となっているフィンランドを答えさせるものとなっているからです。従って、もしこの設問を成立させるためには、『ムーミン』と『小さなバイキング ビッケ』の原作が日本で翻案、アニメーション化された時点で、アニメ作品のなかだけで「フィンランドのどこか」、「ノルウェーのどこか」という設定が加わっているということが前提となります。この設問を解答可能な問題として成立させるには、その根拠として『ムーミン』ならばアニメ作品(1969年版、72年版、90年版、『小さなバイキング ビッケ』ならば1972〜74年に制作された作品のどこかに、「フィンランドを舞台としている」かつ「ノルウェーを舞台としている」という設定があることを確認する必要があるものと考えます。

 その理由は以下の通りです。選択肢の図タとチは情景を戯画化したものですが、戯画化された絵の印象は、それを見る者によって様々です。従って、「タの「低平な土地に針葉樹の描かれたムーミンの挿絵」がフィンランドを描いたシーンからの引用である」こと、かつ「チの「ロングシップ(ヴァイキング船)の描かれた小さなバイキング ビッケの挿絵」がノルウェーを描いたシーンからの引用である」ことが、何らかの根拠をもって示されるのでなければ、誰の目からも見ても明らかな、そして平等な意味をもった選択肢になりえないと思います。それゆえ、これらの挿絵あるいはそれが引用されたアニメーション作品が、それぞれフィンランド、ノルウェーのものだと確認する必要があると考えます。もしそれらが見つからない場合、挿絵はフィンランドやノルウェーを描いたという根拠がなくなってしまいますので、解答不能となるのではないかと私どもは危惧を抱いています。

②私ども三名は、ひとえに大学入試センター試験の社会的信用を維持できるようにとの思いから、以上の(2)①と②の問題点を解消して第5問の問4の設問を成立させるために、(3)①に示した点について大学入試センターに確認を求めていきたいと思います。 (注:私ども三名の見解表明の意図が適切に伝わるように意見書の内容を検討しており、平成30年1月18日時点ではまだ意見書を出していません。)

(補足)「この問題がなぜ危険であるか?」

この設問の問題点について大学入試センターに説明を求めたい点は以上の通りです。以下につきましてはこの設問の内容そのものにかかわるものではありませんが、私どもが、スウェーデン語に基づく北欧の研究教育に携わる者の立場から、このような問題が受験生をはじめ日本社会に与えるかもしれない危険性について危惧を表明するものです。

①この設問に添えられた言語のサンプルは、上からスウェーデン語、ノルウェー語、フィンランド語です。設問自体は選択肢のタと選択肢のBとの関連を問うものではありませんでした。しかし、解答へ至る判断材料としてこれらの言語を載せ、選択肢タの「ムーミン」と選択肢Bのフィンランド語の組み合わせを解答として求めています。これは、もし『ムーミン』の原作がスウェーデン語で記されているという事実を知らない者には、短絡的に「『ムーミン』はフィンランド語で書かれているのではないか」という誤ったイメージを植え付けかねません。既にフィンランド大使館が「フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語のふたつである」とツイートしていますが、私どもは、短絡的なイメージを与えかねない設問のあり方は、フィンランド文化の多言語性、とりわけフィンランドにおいてはスウェーデン語のような少数言語の存在を軽視する考えを受験生や日本社会に与えてしまう可能性があるのではないかと危惧します。

②私どもは、日本アニメーション史において私たちの先人たちが作り上げた偉大な業績として『ムーミン』の一連の作品群と『小さなバイキング ビッケ』を評価しています。しかし、それはクリエイターたちの豊かな想像力によって翻案されたものであり、原作の内容や北欧文化の実像とは異なるところに位置させながら、評価を与えるべきものと思います。『ムーミン』のアニメーション作品群のうち、1969年版と72年版については、原作者のトーベ・ヤーンソンがあまりにも原作からかけ離れた内容だったために激怒し、放送を認めなかったという事実はよく知られています。また『小さなバイキング ビッケ』は、子供むけの世界冒険譚としてはよくできていましたが、海賊としての姿を強調するなど、バイキングの史実とかけ離れた姿を日本社会へ流布することになりました。

③私どもは、揚げ足取りをする目的で以上の見解を公開したのではありません。私どもは、日頃現地語で記述された資料など、客観的な事実に根拠を求めながら北欧の文化や社会の実像を探求し、その成果を教育しています。日本アニメがつくりあげたステレオタイプな北欧イメージを根拠とする今回の設問は、第一にこれから大学で学問を学ぶ受験生たちに対しては、トーベ・ヤーンソンやルーネル・ヨンソンがスウェーデン語で記した情報に依拠せずとも(つまり現地語を学ばなくても)北欧の実像に迫ることができるといったような安易な発想を植え付けてしまう点、第二に日本社会に対しては、現地語情報に基づかないことで、多言語・多文化社会のようなリアルな北欧の実像から乖離したイメージを再び広げてしまう危険性を孕んでいるのではないかとも危惧しています。

平成30年1月15日

平成30年1月18日一部修正


高橋美恵子

古谷大輔

當野能之