
私の留学ダイジェスト
Y.O.(留学時3年生)
【留学先学校名】
・Uldum Højskole (2024年1月~2024年 6月)
【なぜデンマークなのか】
「北欧らしいカラフルでシンプルなデザインが好き」「世界幸福度ランキングで常に上位の北欧での暮らしが気になる」私はこのような興味を持ってデンマーク語専攻を選びました。そして大学でデンマークについて学んでいく中で、フォルケホイスコーレという教育施設を知りました。そこにはデンマーク人の生活を身近に感じられる環境や、日本では挑戦しにくいクリエイティブな授業があり、自分の興味とマッチしていると感じました。物価の高いイメージとは異なり、フォルケの料金は、授業料、家賃、食事代、材料費等も含めての値段としてはお財布に優しいものでした。このような理由もあって、留学先はデンマーク、そしてフォルケホイスコーレに滞在したいと思うようになりました。

(Uldumの入り口。ちょうどこの二階部分が私の部屋でした。)
【Uldumの雰囲気】
私はユラン半島の中央部に位置するUldum Højskoleに、半年間滞在しました。田舎の町だったので、周囲は静かで落ち着いた雰囲気でしたが、学校内は打って変わって賑やかでした。というのも生徒の数が110人程と多いことに加えて、「自由」を重んじる校風があるためか、生徒たちが活気にあふれているからです。そして年齢層は若めで、多くが19~21歳でした。当時21歳だった私は、自分より年下の子たちのエネルギーに圧倒されていました。また生徒はほとんどがデンマーク人で、留学生は10人、日本人は私1人でした。先生の話や授業は全てデンマーク語ですが、生徒の英語レベルがかなり高いため、英語ができれば授業についていくことができます。
ちなみに私のレベルはというと、留学してすぐに「自分は会話のテンポだとデンマーク語どころか英語すら聞き取れず、文が頭に浮かばないレベルだ」ということを痛感しました。分からないことを分からないと伝えることから始め、半年間で何とか「簡単な文なら早くても聞けるし、話せる」ようになりました。自分の中では大きな成長でした。留学先が日本と全く異なる、甘えられない環境であったことは良いポイントだったと思っています。
【Uldumでの生活】
この学校の強みはとにかく科目数が多いこと! そしてその分時間割を変える機会があるため、多くの授業をとることができます。分野も多岐にわたりますが、特にクリエイティブ系に強いのがこの学校の特長のようです。例えば陶芸、レザークラフト、ジュエリーデザイン、衣類、日曜大工、絵画などがクリエイティブに当たります。これらの材料費は別でかかりますが道具や機械は授業時間外でも使えるので、放課後など時間がある時にはいくらでも作りたいものが作れます。

(焼く前の陶磁器たち)
ちなみに私は主にクリエイティブの授業をとり、いくつか音楽系の授業、さらに留学生向けに開講されているデンマーク語の授業をとっていました。中でもレザークラフトの授業が一番楽しかったことを覚えています。基本的な作業を覚えれば何でも作らせてくれたので、欲しかったカードケースやパソコンカバーを作りました。また、音楽の授業では日本でも演奏したことのなかった、アルトサックスに挑戦する機会がありました。この学校には、希望すればなんでも叶えてくれる、親しみやすくて素晴らしい先生方がいます。
ご飯は美味しかったです!料理の種類が多く、他国の料理がデンマーク風にアレンジされて出てくることがあったので、面白いと思いながら食べていました。一度ラーメンが出たことがありましたが、豆やニンジンがたくさん入った謎の味のラーメンでした。途中からはパンばかり、オープンサンドイッチばかり…とメニューに新鮮味がなくなって飽きてしまいましたが、まずいということはありませんでした。そしてKaffe og kageの時間がたくさんあるので、気を抜いていると太ります!

(高校の卒業式のイベント後、Studenterhueをかぶって撮った写真)
土日は生徒の企画したイベントが開催されていました。例えばデンマークの伝統行事であるフェスタラウンや高校の卒業式を模したイベント、またはグループごとにゲームで競い合って特典をゲットしようとするものなど、ほとんど毎週ありました。説明を聞いてすぐその場でゲームに参加するのが難しく、私は気が向いた時に参加した程度でしたが、よりデンマーク文化を理解することに繋がりました。参加しなかった日は旅行や編み物、授業で作っているものの制作、散歩などをしながら休日を過ごしていました。また、夜はパーティーがあり、クラブのような音楽の流れる場所で、踊ったり話したりゲームをしたりして過ごすこともありました。デンマーク人の酒の強さを感じることができます。たまに事件が起こっていました。
スタディートリップではベルギーのブルージュに行きました。私は行くまで知らなかった街でしたが、ヨーロッパらしい古い町並みの残る、落ち着いた素敵な街でした。先生方がある程度スケジュールと部屋割りを組んでくださるので、大変なのは片道16時間のバス時間ぐらいでした。また、任意で学校が終わった後の三週間、ケニアに行く機会があります。私は残念ながら参加できませんでしたが、参加した友達はみんな楽しそうでした。
【まとめ】
あくまで主観ですが、Uldumをおすすめする人とそうでない人をまとめてみました。
↓こんな人におすすめです
・とにかくデンマーク人、デンマーク語に囲まれたい人
・専攻科目を決められない人
・いろんな授業をとってみたい人
・同世代の友達がほしい人
↓こんな人には微妙かもしれません
・少人数の方が居心地がいいと思う人
・やりたい科目が明確に決まっている人
・自然の中でたくさん体を動かしたい人
・土日はゆっくり静かに過ごしたい人
【留学を終えて】
留学は思っていたよりも大変でした。とにかく情弱で、言いたいことも言えず、何かをこなすごとにストレスがたまる日々でした。そして気分が落ち込んで、部屋を出るだけで精一杯な日や、自分が「外国人」として扱われる感覚に疲れてしまう日もありました。でも確実に私の人生にとって有意義な経験、学びに繋がったと思っています。留学に行ける家庭環境があるのであれば、それに感謝しながら、是非留学に行ってみてください。きっと人生の大きなターニングポイントになると思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました^^

(Uldumの中庭から見た校舎)