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教員紹介

岡本 真理 教授

岡本 真理 教授
  • 研究者名(フリガナ) 岡本 真理(オカモト マリ)
  • 職 名教授
  • 専攻語ハンガリー語
  • 電子メールokamari.hmt[at]osaka-u.ac.jp

■ 外国語学部を目指す受験生の皆さんに

本学外国語学部には、たくさんのめずらしい言語を学べる専攻があります。私が所属するハンガリー語専攻では、学生のみなさんはヨーロッパの小国ハンガリーのことばを学びます。昨今は大学でも社会に出てすぐに役立つ知識や技能の習得が優先される傾向があり、そんなご時世に「ちっぽけな」ハンガリー語を勉強して何の得になるのだろう?と思うかもしれません。しかし、みなさんには若いうちにぜひ自分の興味の向くままに、あらゆることを学んでほしいと思っています。今ここで生きている自分とはおよそ無関係に思える国や地域、そこに暮らす人々のことに興味をもつこと、それは自分とは違う立場や境遇にある「他者」に関心をもち、理解しようとすることです。そして、「他者」を理解するための想像力を身につけることは、この複雑で難題が山積する世界に向き合うときに、何よりも私たちに求められている能力です。それは点数で測れないし、お金にも換算できないけれど、未来に向かって何よりも力を発揮する能力なのです。

研究分野 ハンガリー語学・ハンガリー文学
キーワード ハンガリー語、ハンガリー文学、近代民族運動、ナショナリズムと言語
研究テーマ

近代から現代にかけて変遷するハンガリー社会の中で、ハンガリー語とハンガリー文学をめぐる文化的ナショナリズムの諸相を研究テーマにしています。19世紀ハプスブルク時代の民族独立運動の時代では、ハンガリー語の公用語化運動や国民的詩人ペテーフィやアラニュの作品研究、演劇文化や民謡研究の発展など、また20世紀では文芸誌『西方(ニュガト)』の時代からトリアノンを経た大戦間期の文学に関心があります。この時代の作家コストラーニの小説の翻訳にも取り組んできました。また現代ハンガリー社会との関係では、国境外ハンガリー語話者の共同体における母語と国家語の問題、言語意識や言語変化についても関心をもって追っています。

代表的著作、論文等

1848年革命期ハンガリーの政治喜劇 『言語文化研究 』(44) 263-281 2017年
近代ハンガリーにおける国民演劇運動の発展―国民劇場の黎明期―『言語文化研究 』(42) 43-60 2016年
翻訳 コストラーニ・デジェー『エシュティ・コルネール』未知谷 2019年

所属学会、その他の研究活動等 日本ウラル学会、ハンガリー学会、国際ハンガリー学会
担当授業 ●学部 ハンガリー語2、ハンガリー語3,ハンガリー語13、ハンガリー文化講義I,ハンガリー特別演習II
●研究科目 ヨーロッパ言語社会動態論
●全学共通科目 特別外国語ハンガリー語