外国語学部SCHOOL OF FOREIGN STUDIES

わたしの阪大外国語学部

座談会

第5回 学生座談会

学生座談会

吉野真輝さん2年生(客1)

古谷幸之輔さん2年生(泥棒)

阪大 外国語学部学生座談会

真鍋莉菜さん2年生(客2)

中嶋彩乃さん2年生(王の付き人)

外国語学部の名物行事のひとつが語劇です。専攻科ごとに専攻言語による劇を上演します。毎年春に、新入生も含めて専攻言語ごとにチームが作られ秋に上演されますが、インドネシア語専攻は一学年の人数が少ないため、全員参加で語劇に取り組みます。そんな、語劇の上演が終わったばかりのメンバー4名に集まってもらい、外国語学部やインドネシア語専攻の魅力を語っていただきました。

司会者お疲れ様でした。いかがでしたか本番が終わって?

真鍋 私の台詞は、幕が開いて最初だったので、緊張しちゃってちょっと間が空いちゃいました(笑)すぐに思い出せたのでほっとしました(^_^;)

古谷 僕も実は、本番で台詞を飛ばしちゃったんです(笑)でも話として通じる程度だったので、まあ良いかなと(^_^;)

中嶋 私も台詞に全然自信がなくて、出る前まで舞台の袖でずっとぶつぶつ言っていました。でも出たらちゃんと言えたので良かったです。

吉野 語劇の練習は、なかなか高いハードルがありまして、みんなで練習できる時間が授業前の朝しか取れないんですね。朝早く来てやらないといけないので、遠い人は結構大変なんです。

4月末に話が決まって、夏休みまでに数人で物語から日本語で台詞をつくって、夏休み明けからインドネシア語に訳して、本格的に練習できるのが10月半ば以降になるんですね。だから、取り組みから期間が長い割には、劇として練習できる時間は少ないんです。そこからもネイティブの先生や留学生に見てもらって発音や言い回しなど修正していって、本番の2〜3日前にようやく完成してきたって感じです。でも本番では、自分の役はだいたいイメージ通りにできたと思います。

古谷 語劇は、外国語学部の伝統として先輩方がずっとやってきているのでしっかりやらなきゃという多少のプレッシャーがあるのと、練習もかなりしんどいのですが、僕はやる限りは楽しもうと思って、こんな恰好までしています(笑)
泥棒の役だったのですが、これは留学生に借りた衣裳で、インドネシアの泥棒ってこういうイメージだそうです。

吉野 語劇は学科によってやり方が違っていて、他の言語だと有志でやったりするのですが、インドネシア語は慣習的に2年生がやるということになっています。人数が少ないので全員でやらないとできないんです。でも、今日は照明を1年生がやってくれました。

司会者外国部学部、あるいはインドネシア専攻を受験したのはどのような理由からですか?

吉野 私は、小さいときに家族とバリ島に行ったことがあるんです。そこで見たケチャダンスとかガムラン(音楽)とかが印象に残っていて、そういう民族的な文化を勉強したいなと思っていたんです。
それと、東南アジアが好きだったけれど、高校の世界史って東南アジアが全然出てこないんです。出てきても一瞬なんですよ。だからもっと深く知りたいなと思っていました。インドネシア語なら東南アジアも勉強できると思って受験しました。
東南アジアって、日本と同じアジアなのに中国や韓国に比べて、あまり知らないし、ヨーロッパに比べると近いのに日本とは遠いイメージです。それがもっと東南アジアを知りたいなと思ったきっかけですね〜。
それと、私は大阪出身で大阪愛がとっても強いので、大学名に大阪が入っているのが良かった(笑)家から通えるところが良いとも思っていました。

古谷 僕は、もともとはこの大学に来ようとは思っていなかったんです。気がついたら居たという感じで(笑)
関西の人間なので関西の大学が良いと思っていて、どうせやるなら面白いこと、あえてマイナーなところにいってみたい、勉強してみたいと思っていました。

それで外国語学部で面白い言葉をやってみようと。インドネシア語専攻は、小さい学科なのですが、インドネシアという国は、人口が世界で4番目に多いんですよ。面積もかなり広くて、マレーシア付近からパプアニューギニア近くまであります。島の数は世界一で、1万3千の島があるんです。そんなところに日本よりも遙かに多い2億3千万人も住んでいるという国を知りたいと思ったんです。

それと英語は得意科目だったので、入試で英語の比重が大きい外国語学部は受験に有利だし、論文等の資料が日本語より英語で書かれたものが圧倒的に多いので、入ってからも英語が役に立つだろうと思いました。

真鍋 私は、小さい頃から母がかける英語のCDを聞いていたりして、昔から外国語に興味がありました。それで外国語学部のある大学を探したら阪大が出てきたんです。
インドネシアとか、東南アジアの情報はテレビなどでも良く流れてくるのですが、その割に私にとっては未知の世界だったのです。そういう未知の世界を知りたいと思っていましたので、文化と言語と両方学べると思ってここにしました。
私の中の東南アジアのイメージはインドネシアだったんです。これから発展していって面白くなりそうだとも思いました。

中嶋 私も大層な理由はないのですが、元々国際的な仕事とか観光系のことに興味があって、将来もそういう分野に行きたいなと思っていたのです。その時ヨーロッパよりアジアの方が近いので、ビジネスなどでも関われる機会が多いのではないかと思いました。それと、インドネシア語専攻は人数が少ないので、みんなと仲良くなれるんじゃないかと思ったりもしました。

司会者入学してみて外国語学部の良さってどういうところでしょうか?

吉野 外国語学部の楽しさのひとつは、留学生との交流が多いことですね。インドネシア語専攻は特に多いです。留学生は100人くらいいて、留学生の会の方達と年に何回かお鍋パーティをしたり、ネイティブの先生にインドネシア料理を教えていただいたりとか、授業以外にも交流イベントが多くて、文化を肌で感じながら知ることができます。日本に居ながらもインドネシアの文化に直接触れることができるんです。

古谷 外国語学部は、勉強することが異文化との接触になってきます。その中で日本やその中にいる自分というものを見る視点が変わってきたことが良かったですね。それまでは、自分や日本を絶対的なものとして捉えていたのが、相対的に捉えるようになって来て視野が広がってきました。

真鍋 阪大は総合大学なのでいろんな学部があり、1年生の時は豊中キャンパスで一般教養等を受講するので他の学部の人たちとの交流ができます。そこで他の学部の勉強や活動の話も聞けて楽しいですし、サークルや部活を通してそういう人たちとの付き合いも生まれます。

中嶋 外国語学部は、言語をきっちり習得して卒業するところなので、他の学部よりも、目的がはっきりしていると思うんです。卒業までにやらなければいけないことがはっきり見えているのが良いです。だから、4年間を何もせずにボーッと過ごすということがないので良いと思います。私は、最初からここを志望していたわけではないのですが、ここにして良かったと思うのは、その点ですね。

吉野 それと伝統ある大学なので、多くの先輩方が残してくれた資料や研究が膨大にあるので、それを使わせてもらえるのはありがたいと思います。

また、先輩の留学経験の報告会というのがあるんですが、年齢の近い先輩から直接留学の話が聞けるので、とても参考になります。

そして、外国語学部は、自分の専攻語以外にもうひとつ言語を選択しないといけないので、私は教職のために英語を採っているんです。
その授業では他の言語のみなさんと一緒になるんですが、その時に、アジアの他の言語やヨーロッパの言語とか他の言語の話とかを教えてもらったり、インドネシア語ならこう言うんだよとか、そういう会話をしながら、専攻言語以外のいろいろな言語のことも知ることができるのがとても楽しいですね。
世界を知ることができるというか、いろんな考え方があるとか。時間にルーズな国とかもあるじゃないですか。そういう民族性みたいなものとかも聞けて、視野が広がります。自分の専攻を英語で紹介してディスカションするみたいな時間もあるんですよ。そういうのを聞いているといろんな国で特徴があっておもしろいなあっていうのがありますね。

司会者合宿というのがあるそうですが、そのようなものですか?

古谷 先生が引率するかたちで、2週間くらい現地に行ってフィールドワークの勉強をします。昨年はパダンというスマトラ島の都市に行きました。

中嶋 私が行ったところは、かなり田舎の方だったのですが、ジャカルタのような都会と違って、トイレなどもインドネシアの古い習慣のもので、水を桶でくんで流すタイプのものだったりして、そういうのは実際に行かないと体験できないので良かったです。

真鍋 まだ、勉強途中のインドネシア語だったのですが、現地でしゃべってみて通じたので感激しました。この体験というか、通じるという実感は大きくて、勉強のモチベーションが一気に上がりました。
また、私は初めての海外だったので、飛行機から何から全部が新鮮でしたね。
しかも、トイレは水洗じゃないし(笑)お風呂も全然違うし、私にとってはすべてが新しいって感じでした。

司会者インドネシアの魅力ってどんなところでしょう?

中嶋 場所によって全然違うと思うんですけど・・・私自身は、ジャカルタとパダンしか知らないのですが、それでも全然違うし、授業やいろんな人から別の場所の話を聞くと、ホントに場所によって全然違うんだなと感じます。それが魅力かも知れません。

古谷 日本は、経済が成熟して来ていてなかなか伸び代がないみたいな状況になっていますが、インドネシアはまさしく経済成長の真っ只中で、なんか生き生きした感じ。もしかしたら、そこに僕たちが生まれる前の日本の姿があるのかなと思ったりします。

僕が生まれた年なんていうのは、山一証券や北海道拓殖銀行が倒産した年で、その年を表す漢字が「倒」(笑) そう言う年に生まれて、そこから日本はずっと経済が停滞状態にあるわけです。インドネシアもその年に通貨危機などがあってルピアが暴落したんですけど、そこから持ち直して今でも5〜6%くらい成長しているわけで、そういう活気のある、僕が日本で出会うことがなかった社会をインドネシアで体験していると言う風に感じることがあります。

司会者吉野さんは、インドネシアの大統領とお会いになったとか?

吉野 会ったというより見かけたんですが(笑)
スピーチコンテストで優勝しまして、その時の参加者がジャカルタに招待されて1週間過ごしたのです。その時に独立記念式典があり、スピーチコンテストに参加した18カ国の人たちともども招かれて、大統領を間近で見ることができました。
式典は、厳かでありながらすごく楽しかったんです。まわりのインドネシアの人たちに促されて一緒にインドネシアの歌を歌ったり、インドネシアの式典なのに世界各国から来た人がみんな一緒に楽しんでいて、多民族の国なんだなと感じました。

スピーチコンテストは、今年は「私の夢」というテーマで4分くらいしゃべったのですが、インドネシア語で原稿を書いてそれをネイティブの先生にチェックいただいたりして、それでできた原稿を週1回昼休みに、出演者や先生と練習していました。

司会者普段のキャンパスライフを教えてください。

吉野 外国語学部は、予習復習とか学校の勉強でやることが多くて、意外と時間がないですね。合気道の部活をやっていたのですが、2年になって練習場所が遠くなってやめてしまいました。もっぱら大学の予習復習に追われていて(笑)、勉強の息抜きとしてお菓子屋さんでのバイトに行っています。お菓子の製造や接客も楽しいです

古谷 僕は、学内で留学生のチューターのアルバイトをやっています。
日本語日本文化教育センターというのがあって、日本語を学ぶために日本に来ている留学生や日本で学士を取るために来ている留学生の日本語の勉強のマンツーマンのサポートです。今年はインドネシアの人とベトナムの人だったのですが、彼らと密に話すことができて、また違ったスタンスで異文化に触れることができるので楽しいです。知っている言語でも微妙な意味のニュアンスなど、辞書では学べない生の言語が学べるのが面白いですね。

真鍋 私は、豊中キャンパスで、競技カルタのサークルに入っています。今年は、ある大会で3位に入賞してグレードが上がりました。今は初段です。

中嶋 私も豊中キャンパスでよさこいのサークルに入っていますが、今はちょっと冬眠中(笑)。

司会者進路についてお考えのことがあれば教えてください。

吉野 なんとなくですが、どういう形でも良いので東南アジアと関わる仕事が良いなあと思っています。貿易とか広報とか、例えばインドネア語に訳して日本の企業をアピールするとか。そういう架け橋となるような役割に携わることができたら良いなあと思います。

古谷 最近読んだ本に、地域研究者の仕事はその地域と日本をつなげることと書いてあって、僕はもちろん将来はインドネシアに関わる仕事がしたいのですが、それにプラスして自分の出身地や日本に何かを還元できるような、そういう働き方をしたいと思います。

真鍋 私もまだぼんやりとしているんですが、せっかくインドネシア語を勉強しているので、その言葉を使って仕事ができたら良いなと思っています。

中嶋 私も同じですが、空港か観光業がいいのかなと思っています。

司会者留学についての予定や経験を聞かせてもらえませんか?

吉野 これはスピーチコンテストの「私の夢」で話したこととなのですが、合宿でパダンの高校へ行ったときに、第二言語で日本語を学んでいる学生とお会いしたんです。その教科書を見せてもらったのですが、そこに載っている日本語が間違っていたんですね。
彼らの日本語を学びたいという意欲はものすごく高いのに教科書が間違っていると言うことに非常にショックを受けまして、それを何とかしたいな、彼らの日本語学習の環境をちゃんとしてあげたいなと思ったんです。留学の時には、彼らにちゃんと日本語を教えてあげたいなと思っていて、例えば教科書を自分で作って広めていきたいなと思っています。留学は3年の後期から1年間休んでいくという感じですね。

古谷 1年生の春休みに短期で留学したことがあります。NGOを通じて現地の大学の日本語学科に受け入れてもらって、日本語の授業のサポートなどをしていました。先生が忙しいときには僕が授業をしたりしたんですね。
その事もあって、今年の合宿の時には、僕だけ現地で残れるようにしてもらって、自分で航空券等を買って、1泊600円くらいのホステルに泊まりながら2週間くらいバスで放浪していました(笑)
その時に、NGOで縁のできた大学にいって現地の先生とマンツーマンで授業をしてもらったり、とっても楽しい体験でしたね。

真鍋 私は留学するつもりはなかったのですが、留学された先輩方の話の中で、現地の学校に日本語を教えに行くのがいいなあと思いました。現地の人たちと交流ができますでしょう。私はそういうのに興味があるので、ちょっと行ってみたいなあとも思いはじめています。

古谷 現地の日本語カリキュラムのある学校に日本人を派遣するという国の仕組みがあって、それで行っている先輩が多いですね。

中嶋 私は、みんなと違って英語圏の国へ行きたいと思っています。私の希望する分野としては、英語の方が需要が高いので入学前からインドネシアには行かずに英語圏に留学しようと思っていました。

司会者では最後に受験生へのアドバイスをお願いします。

吉野 受験の時って、私もそうだったのですが、まわりの言葉が気になると思います。模試で何点だったとか判定がどうだったとかいろいろ・・・。でも、みんな受ける大学も環境も目指すところも違うし、そういうまわりの言葉を気にしないことですね。自分のやってきたことを信じて、やり続けることだと思います。

古谷 僕は、受験生の自覚を持って生活を変えていくことも重要ではないかと思います。自分を受験生化するというか、通学の電車の中でもやれることがあったりするので、常に受験のためにできることはないかと工夫するというか、僕の場合は、そういう風に自分を受験生化してやっていました。

真鍋 受験勉強の合間に息抜きできるものをうまく見つけることではないでしょうか。私も目一杯やっていたのですが、月に1日とかみんなで買い物に行こうとかそういう風に息抜きをつくっていました。

中嶋 私は、土日も学校に行ったりして受験勉強を結構真面目にやってきたのですが、大学に入ってみると意外にもっとやれたのではなかったかなと思ったんです。
受験勉強やっている時は、もうこれ以上ムリ〜っていくくらい目一杯頑張っていたつもりだったのですが、振り返ってみると、まだもっとできたはずだと思ってしまうんですね。もうちょっと頑張れた、もう少し上を目指したり余裕を持つことができたとか、これは私の周りの人も言っています。だから、今がもう限界だとは思わないことではないでしょうか。実はまだまだやれるはずだと。

古谷 大学について言えば、外国語学部は言葉を勉強するところで、言葉を学ぶこと自体にももちろん意義はあると思うんですけども、社会に出ると言葉っていうのは、あくまでツールだと思うので、そのツールを使って何をしたいかという事が大事だと思います。そういうことも頭に置きながら、受験勉強を頑張って欲しいと思います。

中嶋 真逆のことをいうようですが(笑)、最終的に言葉を使って何をするかみたいなのはもちろんゴールとしてはそうなんですが、さすがに高校3年の受験生にとってはさすがにそんなことを考える余裕はないんじゃないかと。私がそうだったので。高校生にとっては、インドネシア語?ベトナム語?なにそれ?みたいな感じだと思うんですよ(笑)それでも入ったら何とかなるから、大丈夫だよって言いたいです(笑)

司会者みなさん、それぞれに考えがあって、同じインドネシア言語でも学び方や目指す方向がいろいろ違うのだなということが良く分かりました。
受験生への良い情報になると思います。本日はありがとうございました。

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